下流社会が二極化…大阪・あいりん地区で“超エリート”と呼ばれる人々 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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下流社会が二極化…大阪・あいりん地区で“超エリート”と呼ばれる人々

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あいりん労働福祉センターに集まる日雇い労働者

あいりん労働福祉センターに集まる日雇い労働者

あいりん労働福祉センター

あいりん労働福祉センター

あいりん地区の自動販売機。一本50円から売られている

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 やはり働く人がいちばん偉い――日雇い労働者やホームレスの人たちが集う、大阪市西成区・釜が先のあいりん地区では、“白手帳”と呼ばれる「日雇労働被保険者手帳」を持つ労働者がここに住む人たちからもっとも尊敬のまなざしでみられている。

「あいりんの職安におる奴らは、俺らから言わせると“お堅い勤め人”や。白手帳持ち、それだけで尊敬されるで。なかでも手に職のある工員ゆうたら俺らとは別世界の人間や。超エリートやな。奴らが街なかを歩いとったら、まるで後光が差してるようにみえるで」

 “三角公園”の通称で知られる釜が先の中心広場である萩の茶屋南公園を根城にするホームレスのマサヨシさん(仮名・58歳)は、JR・南海線新今宮駅西口から徒歩1分にある「あいりん労働福祉センター」に集う日雇い労働者たちについて、こう話す。

「夏の暑いときも冬の寒いときでも、朝3時や4時から白手帳持ちは動いとる。朝6時には、もう奴らはマイクロバスに乗って現場や。お日様が照ってるうちはどこぞの工事現場でシノギしたはる。俺はそういうことがでけへんねんな。手に職もない作業員の仕事やと人に使われる。それが耐えられん」

 ホームレス生活約20年のベテラン、マサヨシさんが、この釜が先に流れ着いたのは数年前のことだ。九州、宮崎県の中学校を卒業後、就職のため大阪に出てから、10代半ばの数年は、中華料理店や寿司屋、スナックなど、飲食業を中心に職を転々としてきたという。

「いろいろやったよ。でもな、結局、どこも“見習い”のままやねん。一丁前になるまで続かんのや。上の奴からあれこれ言われるのがどうも好かん。せやから、ちょっと偉そうに言われると頭に血が上ってな。そのまま喧嘩別れや。ホームレスやる奴のほとんどがそうや。誰かに束縛されたり指示される。それが嫌なんや」

 マサヨシさんは自身の経験に重ねてホームレス生活を送る人の心理をこのように問わず語りに語った。飲食業で身を立てたいと思っていたマサヨシさんだが、職人の世界は若いうちからの修行がモノをいう。さすがに25歳を超えると、見習いとして雇ってくれるところはもうなかった。


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