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<br />『地中世界のサバイバル1』(かがくるBOOK―科学漫画サバイバルシリーズ)スウィートファクトリー著/イラスト:韓賢東定価:1,296円(税込み)Amazonで購入する
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<書影キャプション>『地中世界のサバイバル1』(かがくるBOOK―科学漫画サバイバルシリーズ)
スウィートファクトリー著/イラスト:韓賢東
定価:1,296円(税込み)
Amazonで購入する

 図鑑や簡単な小説など、誰でも子どもの頃に熱中した本が一冊はあるだろう。中でも定番と言われているような『ズッコケ三人組』や『かいけつゾロリ』シリーズは、世代を超えて愛され続けている名作だ。そんな児童書界で新たなスタンダード作品となっているのが『科学漫画サバイバルシリーズ』(朝日新聞出版)である。

 通巻50巻、累計404万2千部と売れに売れている同シリーズ。内容は主人公たちが恐竜世界や人体の中などさまざまなシチュエーションに移動し、次々と襲い掛かるピンチに勇気と知恵を振り絞って立ち向かうというストーリーだ。

 中身はオールカラーのマンガだが、途中途中に毎回のテーマに合わせた科学や生物にまつわる説明コーナーが収録されており、実はこの内容が大人でも楽しめるような興味深いものとなっている。

 7月7日に発売された新作『地底世界のサバイバル(1)』は、主人公たちが小さくなって地面の下の世界を探検するというもの。この中で、誰もが一度は見たことがあるであろう“ミミズ”に関して意外な知識がまとめられている。

 例えば、『進化論』で有名な科学者であるチャールズ・ダーウィンは40年間ほどミミズの研究をしていたそうだ。彼の功績からすると少々地味な研究のようだが、現に1881年には「ミミズと土(ミミズの作用による肥沃土の形成及びミミズの習性の観察)」を発表し、ミミズの生態を入念に調査している。

 その中でダーウィンはミミズの嗅覚を調べるために、とんでもない実験をした。なんと、ミミズに自分の口臭をかがせたのだ。結果、ミミズに反応はなく、ダーウィンはミミズが臭いをかぐことはできないと結論付けたという。かの科学者も、意外と小学生が考え付きそうな方法で実験をしていたという事実にはニヤつかざるを得ない。

 この他にも、ミミズには知能があるのか、音を聞くことができるのかなどダーウィンが実際に行った実験の数々が紹介されており、生き物への懐かしい好奇心をくすぐる内容が満載だ。大人も楽しむことができるこの『科学漫画サバイバルシリーズ』。次の休日には、童心にかえって子どもと一緒に科学の世界を探検するのもいいだろう。