4代目となってからは、「せっかく東京でいろいろな経験をしたのだから、今まで島になかったものを作りだそう」と、会社員時代のネットワークを駆使して、村上康成やミーイシイ(石井光重)といったトップアーティストと組んだオリジナルグッズを作って店に並べた。さらに、島外ファンを増やすと同時に島内のネットワークも強化しようとエコライドやボルダリングの魅力を発信、特にボルダリングは村との協働で旧坪田中学校体育館に専用施設をオープンしている(要予約)。

 商店をカフェに改装しようと決めたのは、2011年、家族の怪我など沖山さんにとって大変なこと、心配なことが重なった時期だった。「でも自分の代で店を閉めるのはいやだった。だから、100周年を自分の代で迎えよう、だったら自分が好きなものをもっと前面に出そうということで、ボルダリングと美味しいコーヒーのプランが浮かんできたのです」(沖山さん)。

 そう腹をくくって、手助けしてくれる友人たちと店の改装に取り組んだ。オープンしてみると、今度はいい方に運気が転び始めた。沖山さんばかりではなく、カフェを訪れたお客さんの中にも、新たなビジネスチャンスが舞い込んだり、スポーツの大会で金メダルを獲得したりなど、運気が上がった人が多数いるという。なにしろ、吉兆といわれる虹がしょっちゅうカフェから見えると言うから、cafe691は運気上昇のパワースポットかもしれない?!

 今年、帰島10周年を迎えた三宅島。新たな活気が島に満ちている。美味しいコーヒーを味わいに、足を伸ばしてみてはいかがだろうか。 (島ライター・有川美紀子)

※注 竹芝桟橋から船便もあります

【関連リンク】
三宅島 沖倉商店
http://ameblo.jp/okikura/