このところ気温もすっかり下がり、朝晩などは肌寒く感じることも多くなってきた。この季節、特に女性が気になるのは“乾燥”なのではないだろうか。

 しかも、乾燥がひどくなるのでは? と、肌ケアの基本である「洗顔」を躊躇する人が秋冬は増えるのだという。汗をかく夏に比べて、汚れが気にならなくなることで「洗顔」をおざなりにしてしまう人も少なくないそうだ。

 株式会社オリコンが行った、朝の洗顔にスポットを当てた意識実態調査によると、半数以上の女性が秋冬の朝は水やお湯だけで洗顔しているか、または洗顔そのものをしていないことがわかった。

 さらに、夏の朝は洗顔料を使って洗顔しているけれど、冬は水やお湯だけと回答した人の追跡調査を行ったところ、朝に洗顔料を使用しなくなる理由として「冬は肌が乾燥するから」と回答した人が 74.5%に登った。だが、冬だけ朝は洗顔料を使わなくなる人の 31.4%が、冬でも肌のテカリ・べたつきが気になると答えている。つまり、洗顔料を使用していない人でも、実際にはテカリやベタつきが気になっており、“冬は乾燥”というイメージと現実との乖離が起きている場合もあるといえそうだ。

 では、秋冬の洗顔を怠ると、肌にどのような影響があるのだろうか?

 アンチエイジングの専門医である日比野佐和子先生はこう話す。

「乾燥しているので、気が付きにくいですが、冬でも皮脂は出ています。冬は汚れない、べたつかないなどの思い込んでいる人も多いと思いますが、空気が乾燥している時期こそ、肌が乾燥しないように、過剰に皮脂が出ている場合も多く、注意が必要です。乾燥していると皮脂腺が多く分布しているTゾーンなどは皮脂が出やすくなり、Uゾーンは乾きやすくなります。肌の老化を促進させる外的要因には、乾燥や汚れ、紫外線、酸化がありますが、乾燥時期に洗顔をしっかりとせず放置したままでいると、この外的要因の2つを招き、どんどんと肌の老化を促進させる結果となります」

 洗顔方法などのケアの違いが如実に表れるのが“すっぴん”だ。誰もが憧れる「すっぴん美人」は、果たしてどれくらいいるのだろうか。

 同調査によると、すっぴんに「自信がある」「やや自信がある」と回答した人は29.1%に留まったという。すっぴんに自信があると答えた人に朝の洗顔方法について尋ねたところ、20 代では「水・お湯だけで洗顔する」人が50.8%と最も多かったが、30代、40代になると「洗顔料を使って洗顔する」人が60%を超える結果となった。

 さらに生活の基本となる朝の習慣について質問したところ、1位は40.5%で「洗顔料を使用しての洗顔」、2位は34.4%で「朝食を作る」、3位は30.1%で「早起き」と続いた。これがすっぴん美人が実践する朝の三大習慣といえるのかもしれない。朝を上手に過ごすことがすっぴん美人になるためのポイントになりそうだ。

 では、正しい洗顔方法とは一体どういったものなのだろうか?

「洗顔料は、肌の負担が少なく肌の弱酸性を保ってくれるような洗顔料がいいと思います。そして、自分のお肌に合ったものを選ぶことが大切。正しい洗顔方法は、熱いお湯ではなくて肌温(34~36 度)、体温より少し低めのぬるま湯で洗います。あとは泡立つものを選ぶのもポイント。ゴシゴシこすらずに泡で優しくマッサージをして洗います。水で洗い流すときは、洗い残しの無い様にしっかりとバシャバシャとすすぎ、洗顔後はすぐに保湿をするようにしてください」(日比野先生)

 スキンケアの基本ともなる“洗顔”。憧れのすっぴん美人目指して、朝の時間を充実させてみてはいかがだろうか。