ジブリ鈴木敏夫を宮崎駿につなげた232冊 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ジブリ鈴木敏夫を宮崎駿につなげた232冊

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鈴木敏夫さんと蔦屋・半谷さんの対談の様子

鈴木敏夫さんと蔦屋・半谷さんの対談の様子

 8月18日に代官山蔦屋書店で行われたトークイベントで、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんが自らの読書遍歴を語った。アエラ8月11日号で1号限りの特別編集長を務めたことがきっかけとなって、アエラの特集「ジブリ作品を育てた本の森~鈴木敏夫を宮崎駿につなげた232冊」と連動する形で同書店内に期間限定で開店した「鈴木敏夫書店」には、鈴木さんの蔵書から厳選された愛読書の数々が並べられた。

【トークショーで紹介された書籍リスト】

 読書は人格を形成するというが、人間関係も形成する。鈴木さんと宮崎駿さんの絆を強靭なものにしたのは、子ども時代の読書体験だった。講談社の少年講談全集や江戸川乱歩の少年探偵団。『宮本武蔵』に『姿三四郎』。それに杉浦茂を加えた5作品が好き、というのが宮崎さんと全く一緒だったという。

 漫画の黄金期に青年時代を過ごしたことから、鈴木さんの本棚には漫画の蔵書も多い。ちばてつや、白土三平、ジョージ秋山。そして手塚治虫。

「手塚治虫さんは何だろう…… 本当に勉強になったんですよ、手塚さんって。『原稿料は安くていい』と。あれは衝撃的でしたね。『高くなると注文がなくなるでしょ。どうせ単行本になれば売れますから』って。手塚さんは現役でいたかった人なんですね。1冊、というと本当に悩んじゃうんですけど、なんだかんだいいながら『火の鳥』ですね」

 慶應時代、大学院進学の選択肢もあったというだけに、人文書の蔵書も豊富だ。中でも宮崎さんに「読んでないんですか」と言われて読み始めたという堀田善衛とは縁が深い。

「ご縁があって堀田さんの所に一年に一回お伺いしていた。お亡くなりになったあと、娘さんから先生の蔵書を引き取ってほしいと。僕、いただいたんですよ。そこに岩波の古典全集があって、買わなくてよかった!って。岩波の方が立派で、かっこつけるには岩波だけど、実際読むなら新潮社かなと。本文の隣に赤色で現代語訳が書かれていて読みやすいんですよ」

 それ以外にも、宮崎さんに言われて読み始めたものに、中尾佐助と宮本常一がある。

「『忘れられた日本人』は大好き。もう、いっぱい買ったんですよ、あれ。宮本常一が撮った写真を見るのも好きですね」

 読書の原体験とも言うべき少年時代に耽溺した本、漫画、学生時代に読んだ人文書、それから徳間書店入社後配属された「アサヒ芸能」に象徴されるようなルポ・ジャーナリズムもの。鈴木さんの本棚には、鈴木さんの人生の軌跡が現われていて、それぞれからいまのジブリに続く道が見える。


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