新型コロナウイルスの感染が拡大する中、販売が急増しているはちみつ(※写真はイメージです GettyImages)
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、販売が急増しているはちみつ(※写真はイメージです GettyImages)

 新型コロナウイルスの感染拡大と外出自粛要請に伴い、はちみつの売り上げが急増している。学校休校による子どもの「おやつ需要」に加え、テレビ番組の影響で「コロナにはちみつが効く」という誤った情報が流布され、爆売れにつながっている。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

●コロナで壊滅の外食業界客が殺到する小売業界

「異常な量が売れていく。普段の感覚が麻痺してしまった」――。あるスーパーの陳列担当者は、混乱する日々についてこう話す。

 新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、外出自粛の動きが強まっている。大打撃を受けているのは外食業界。時短営業などで細々と続けていた飲食店も、緊急事態宣言の発令を受け、いよいよ休業に追い込まれた。「手元の運転資金が1~2カ月程度しか持っていないケースがほとんど。廃業・倒産の急増は必至」(メガバンク行員)と危機感をあらわにする。

 コロナで壊滅状態の外食業界とは対照的に、客が流れ込み、特需に沸いているのがスーパーやドラッグストアなどの小売店だ。「供給体制に問題はない」と多くのメーカーが公表し、行政が「買いだめは控えて」と呼びかけているものの、この状況下で消費者には響かない。

●小麦粉、米といった主食の販売が好調 スパゲティーは昨年対比で240%の販売

 過熱する消費行動は、小売店の販売データにくっきりと表れている。

 調査会社・インテージによれば、3月23~29日の、乾麺や小麦粉、米といった主食の売り上げは前年比150%と売れに売れている(金額ベース)。「自粛ムードが高まって以降、腹に溜まるものが特に売れる傾向にある」(インテージ担当者)。

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「売れすぎて、営業現場は大混乱…」