●「アプリ」を制する者が「食」を制す! テックが外食のルールを変える

『週刊ダイヤモンド』11月17日号の第1特集は、「お得・旨い・テック 外食新格付け」です。

 外食産業は栄枯盛衰が激しく、今は好調なところでも、いずれ飽きられて落ち目になり得えます。昨年10月、本誌は外食160チェーンを対象に消費者アンケートを実施し、満足率を格付けしました。そこでは、新進気鋭のブランドや、独自のビジネスモデル、突出した強みを持つブランドが高い評価を得る一方、かつての外食チェーンの代表格である総合居酒屋が、飽きられたり、新規層も取り込めなかったりで、支持を失っていました。

 外食産業全体においても非常に厳しい環境にあります。人口減少社会に突入してパイが縮小する上に、コンビニエンスストアやスーパーなどの中食プレーヤーが台頭。人件費高騰や原材料高が追い打ちをかけ、消費増税までやってきます。

 環境変化の中にも光明はあります。産業や社会全体に、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)など第4次産業革命の技術が取り入れられてきています。こうしたテクノロジーが、外食産業においても武器になり得るのです。

 具体的に活用されているのが携帯電話アプリです。自社アプリは、消費者と直接の接点を持ち、ニーズに合ったお得なクーポンを配信することで懐に飛び込むことができる、強力な武器です。

 本特集では、外食産業を中心に各社のアプリを消費者満足率で格付けしました。

 総合満足率の1位は、全国に約3000店舗を持つマクドナルド。昨年の格付けとランキングでは、立地の利便性やコストパフォーマンスなどで高い評価を受けており、その強みがアプリ格付けにも表れました。

 IT・テックの活用は、強い者をさら磨き上げるだけではありません。輝きを失ったチェーンにおいても、起死回生のチャンスを秘めます。

 アプリがマーケティングを変えるように、テクノロジーは店舗のオペレーションをも変えています。本特集では、進化する外食のマーケティングに加えて、外食産業の生産性向上の舞台裏、グルメサイトの戦いなど、テックで生まれ変わる外食の最前線をレポートします。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本輝)