(※写真はイメージ)
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●こだわった高級食材使い 食費は月に10万円

「こんなに働いて稼いでいるのに、どうしてお金が全く残らないのでしょうか」

 家計相談にやってきた会社員のGさん(47歳)は、開口一番、こんな悩みを打ち明けました。Gさんは、専業主婦の奥さんと、高校生の娘さんの3人家族。年収は900万円を超えているといいます。

 しかも、所得制限に引っ掛からなかったため、娘さんの授業料はタダ。Gさんにしても、一緒に相談に訪れていた奥さんにしても決して派手ではなく、金遣いが荒いようにも見えませんでした。にもかかわらず、「貯金がまったくないんです」との言葉。私は耳を疑いました。
 
 しかし、Gさん一家の家計を詳細に分析していくと、その謎が解けました。まず、奥さんは大の料理好きで、家族の健康を思うがあまり、食材の産地や素材にこだわっていました。そのため買い物は、百貨店や高級スーパーが中心。家族も、口が肥えてしまって高級な肉や酒を求めているといい、食費は1カ月に10万円を超えていました。

それだけではありません。携帯電話を始めとする「通信費」も4万円近くに上っていました。家族全員が大手キャリアのスマートフォンを所有。自宅のネット回線と同じキャリアだから割り引きされるとはいえ、大きな負担になっていることは間違いありませんでした。

 家計の洗い出しをしてみると、この他にもさまざまな “プチ贅沢”が家計に潜んでおり、典型的な「メタボ家計」となっていました。その結果、支出の合計が収入と同じくらいになっていて、お金が貯まらないのも無理はない状況になっていたのです。おまけに、赤字になった月はボーナスから穴埋めしていたため、いくら稼いでも「お金が貯まらないね」ということになっていたのです。

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