●定期預金や投資を優先させ 赤字になる本末転倒な人も

 こうした「お金が貯まらない」サラリーマンは、稼いだお金を自分の自由に使える独身サラリーマンにも結構います。

 確かに、車やバイクなど、お金のかかる趣味を持つ人も多いので、理解できるという人も多いかもしれません。ですが最近はそうではなく、“地味”にお金がなくなっている人が多いように感じます。

 例えば、毎月金額を決めて、定期預金と投資信託で積み立てをしているサラリーマンがいました。一見、堅実に見えるのですが、急な支出があればせっかくためた貯蓄を取り崩して使っていました。ボーナスも同様で、月々の生活費の穴埋めと、スーツなどの購入費用にあてていたため、全く残っていなかったのです。

 ここで、「あれ?」と思った方もいるでしょう。毎月、貯蓄や投資にはお金を回しているにもかかわらず生活費が不足するなんて、やりくり的に本末転倒な印象を持ちますよね。

 こういう人は、堅実そうに見えて、じつはお金の管理が大雑把な人が少なくありません。「貯蓄に回しているから大丈夫」と思い込んでしまい、月々のやり繰りに気が配れていないのです。

 中には、収支をエクセルで記録している人もいます。しかし、記録しただけで満足してしまい、その後、家計を見直すことはなかったり、していたとしても年末に一度だけ黒字かどうかを確認するだけだったりといった人も少なくありません。

 これではお金は貯まらないのも当然です。貯蓄や投資に回す資金は、余裕資金であることが大前提。そのためには、収入と支出をきちんと把握して適切に管理、お金を残すことが重要なのです。

 せっかく稼いだお金を使うも残すもあなた次第。お金の管理に対する習慣を改めて、残念なサラリーマンから脱却しましょう。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)