編集者 大谷松雄(おおたに・まつお)サンポウジャーナルで書籍を編集。「産報デラックス99の謎シリーズ」を創刊。『自然界99の謎』(春田俊郎)、『邪馬台国99の謎』(松本清張・編著)、『宇宙と星99の謎』(堀源一郎)、『宇宙論99の謎』(小尾信彌)など約200冊を刊行。その後、編集プロダクションの波乗社で『頭にやさしい雑学読本』(竹内均・編著、三笠書房)、『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』(佐藤勝彦、PHP研究所)、『アインシュタインの卵』(佐藤文隆、朝日出版社)など約100冊を企画・編集。新講社を設立後、斎藤茂太、多湖輝、弘兼憲史、嵐山光三郎、和田秀樹、坪内忠太らの書籍を刊行
編集者 大谷松雄(おおたに・まつお)
サンポウジャーナルで書籍を編集。「産報デラックス99の謎シリーズ」を創刊。『自然界99の謎』(春田俊郎)、『邪馬台国99の謎』(松本清張・編著)、『宇宙と星99の謎』(堀源一郎)、『宇宙論99の謎』(小尾信彌)など約200冊を刊行。その後、編集プロダクションの波乗社で『頭にやさしい雑学読本』(竹内均・編著、三笠書房)、『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』(佐藤勝彦、PHP研究所)、『アインシュタインの卵』(佐藤文隆、朝日出版社)など約100冊を企画・編集。新講社を設立後、斎藤茂太、多湖輝、弘兼憲史、嵐山光三郎、和田秀樹、坪内忠太らの書籍を刊行
例)第5章 161 田舎の空気はなぜ、おいしいか?田舎の空気がおいしいのは、排気ガスに汚染されていないからだけではない。緑によって、新鮮な空気がどんどんつくられているからである。植物は二酸化炭素を吸収し酸素を捨て、動物は酸素を吸収し二酸化炭素を捨てているが、都会は、緑が少なく人口が多いのでこのバランスが崩れている。高さ10メートルの樹木で、6人分の酸素が供給されるが、そんな大木がたくさん生え、草が生い茂っている田舎では新鮮な空気がどんどんつくられているのである著者:坪内忠太(つぼうち・ちゅうた)書籍編集のかたわら「雑学知識」を収集。著書は『にほん語おもしろい』『たのしい雑学読本』『ふしぎな雑学読本』(編著)、『父が子と見上げる星座と宇宙』『宇宙の果てをみると宇宙の始まりがみえる』(以上、新講社)。壺内宙太のペンネームで『宇宙の大疑問』『宇宙の謎が2時間でわかる本』『宇宙飛行』(以上、河出書房新社)、『宇宙の謎』『宇宙生物の謎』(以上、青春出版社)など
例)第5章 161 田舎の空気はなぜ、おいしいか?
田舎の空気がおいしいのは、排気ガスに汚染されていないからだけではない。緑によって、新鮮な空気がどんどんつくられているからである。植物は二酸化炭素を吸収し酸素を捨て、動物は酸素を吸収し二酸化炭素を捨てているが、都会は、緑が少なく人口が多いのでこのバランスが崩れている。高さ10メートルの樹木で、6人分の酸素が供給されるが、そんな大木がたくさん生え、草が生い茂っている田舎では新鮮な空気がどんどんつくられているのである
著者:坪内忠太(つぼうち・ちゅうた)
書籍編集のかたわら「雑学知識」を収集。著書は『にほん語おもしろい』『たのしい雑学読本』『ふしぎな雑学読本』(編著)、『父が子と見上げる星座と宇宙』『宇宙の果てをみると宇宙の始まりがみえる』(以上、新講社)。壺内宙太のペンネームで『宇宙の大疑問』『宇宙の謎が2時間でわかる本』『宇宙飛行』(以上、河出書房新社)、『宇宙の謎』『宇宙生物の謎』(以上、青春出版社)など

 昆虫、動物、植物、食べ物、人体、自然、宇宙と、身の回りから天体の世界までの不思議あれこれ。それらをおもしろく、わかりやすく解説した雑学の本『子どもにウケるたのしい雑学』が新講社から出版された。
 この本は、第1章:なぜ、イヌはよそのイヌのお尻をクンクン嗅いでまわるか?、第2章:耳の穴に指を突っ込むと聞こえる「ゴーッ」という音の正体は?、第3章:セミは逃げるときどうしてオシッコをするか? など8章で構成され、合計254の「子どものなぜ?」に答える。それぞれの回答は、短いもので3行、長いものでも14行と簡潔にまとまっている。
「大人も子どもも、まず知りたいのは結論です。あまり長い解説は読む側が飽きてしまいますので、必要最小限にしています」という、編集を担当した新講社の大谷松雄代表取締役に話を聞いた。

■素朴な疑問への答え

 子ども向けの雑学の本はいろいろあるが、親子で読みながらまず親が理解し、かみ砕いたことを子どもに説明する、その材料になればという。日常生活の中での素朴な疑問への答え。元々は、子どもからの鋭い質問に対して、返答に困る経験を持つ大人に向けて企画されたのだ。
 質問項目は、極力他の本に掲載されていないようなオリジナルで、意外性のあるものを収集した。それぞれの回答も、各ジャンルの専門家や研究者、大学教授への取材や文献の研究・調査などをして、事実関係の正確さを期した。
 実際に読者からも、さまざまな感想が寄せられている。「小1の子どもと一緒に読み進めています。『う~ん、なるほど……』と思うことがたくさん記されており楽しいです。一つひとつが簡潔にまとめられているところが、読みやすいのだと思いました」(女性・41歳・主婦)、「これは役に立ちました。毎日のように5分くらいを『科学の話』として使わせていただき、子どもたちのやる気をぐっと引き上げることができました。この本に出合えて幸せでした」(男性・65歳・教師)、「とってもおもしろいです! 今までふしぎに思っていたことが、この本の中に入っていたのでよく分かりました。よんでみると『なるほど!』と思えるようなことがいっぱいあって、とってもよみごたえがありました」(男性・10歳・小学生)などである。
 また、テレビのクイズ番組では、この本に掲載されている質問が問題として出題されたり、ラジオ番組や新聞・雑誌などでも幅広く取り上げられたこともあり、読者は高齢者まで広がっている。「孫のためにと思って買い求めたのですが、おもしろくて楽しくためになるので、私の方が先に読みました。大変参考になりました」(女性・71歳・主婦)、「子どもにウケるということで買ってみました。『おじいちゃん、頭がいいね』と思われたくて……。しかし、この本は自分の知識として大いに役立つし、友人にも知ったかぶりで話せるし、もちろん子どもたちにも博識ぶることもできます。読んでいるうちにのめり込んでしまいました。繰り返し読んでおります」(男性・70歳・無職)、「おやつの時間などにクイズを出したり、歌を歌ったりしていますが、この本は子どもたちに本当にウケています。私たち大人も賢くなると指導員の間でも人気があります」(女性・73歳・学童保育所指導員)など多くの反響がある。

■雑学満載のシリーズ

 この本では、まず大人が不思議だと思っていることが解決される。質問に対する回答があり、その回答に至る過程が簡単に説明されていて、子どもにも教えやすい。子どもは親や祖父母から聞いたことを覚えていて、それが知識になり自信につながり、友達などに話すこともあるであろう。
 続編の『子どもにウケるたのしい雑学(2)』(284問)、『子どもにウケるたのしい雑学(3)』(222問)も出版され、累計発行部数約22万部と好調である。子どもにも大人にもウケる、雑学満載のこのシリーズは、世代を超えたコミュニケーション・ツールでもあるのだ。(朝日新聞デジタル &M編集部 加賀見 徹)

『sesame』2014年9月号(2014年8月7日発売)より
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=16201