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韓流体験、4200円。

文・内藤みか

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 俳優の岡田直輝くんは、甘くくっきりした顔をしていて、韓流タレント風である。そのため、しょっちゅう韓国人に間違えられるそうだ。舞台のオーディションを受けに行って「韓国人が受けに来たぞ!」と驚かれたこともあったという。

 先日、韓流の聖地・新大久保に行って友達に写真を撮ってもらおうとポーズをとっていたら、何かの撮影と間違えられたのか、女性達が集まってきたというのだからすごい。

 どれだけモテるのか確かめてみたくて、実際に彼を連れて新大久保に乗り込んでみた。まずは韓国料理屋さんで腹ごしらえ。確かに彼のことを店内の女性客達がチラチラと見ている。

 せっかくなので、
「東京にはもう、慣れましたか?」
 と冗談で彼に話しかけると、
「ハイ......、でも、まだちょっとだけですけど......」
 と彼も、たどたどしい日本語で返してくれた。ふたりで韓流ごっこをするのが少し楽しい。しかしこの岡田くん、一言も韓国語は話せないのだという。

 その後、韓流タレントグッズやお土産屋が並ぶ繁華街を彼と練り歩くと、どうやら余程似ているタレントがいるのか、
「ねえ、今の、○○じゃない!?」 
 と彼を振り返り、華やいだ声を出している人までいる。
 そして彼女らは私には目もくれない。恋人にはムリのある年齢差だから、きっとマネージャーだとでも思っているのだろうか。

 あまりにジロジロ見られるので立ち止まったら本当に取り囲まれそうで、少し怖くなり、私たちは次第に早足になっていて、気づくと歌舞伎町を歩いていた。
 辺りには、ホストやキャバクラで働く、派手なお兄さんお姉さんがさざめいている。
 看板の文字が読めるエリアに戻ってきて私はほっとしたのだけれど、岡田くんは逆に、新大久保にいるほうが居心地がいいという。

「最近韓流男子に押されて、日本のイケメンが元気がない気がするんです。でも、僕みたいな顔をしている日本人もいるんで。僕なりにこれからも韓流を研究して、自分のアピールポイントを探していきたいんです」

 頑張れニッポン男子! 私もまた岡田くんの新大久保散策に付き合ってみようと思う。


(更新 2012/8/16 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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