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奨学金、月額3万円。

文・内藤みか

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 国公立高校に進学のはずの息子が、私立に行きたいとこの期に及んでわめき始めた。どうしても行きたい高校があるのだという。

 私は息子とは前々から約束をしていた。私立に行くときは、奨学金を借りて自分でお金を返していく、と。だから私は奨学金が受けられるのかどうか、役所に聞きに行った。

 役所では母子福祉資金というものを教えてくれた。母子家庭であれば、子どもが学校に進学する際に東京都がお金を貸してくれるのだという。しかも返済は子どもが学校を卒業した後に、20年かけてすればいい。ありがたいことに無利子で、母親の所得制限もないという。

 貸していただけるのは月額3万円、そして入学準備金に45万円まで。私は「ぜひお願いします」と身を乗り出したが、役所の人がここで、
「保証人が必要なんですよ」
 と制した。都内在住できちんと生計を立てている保証人を立ててほしいというのだ。

 私の場合は、都内に従兄弟が住んでいるから彼にお願いできるかもしれないけれど、そうでない母子家庭はどうしたらいいのだろう。離婚し、故郷にいづらくなり、誰も頼る人もないまま子連れで東京に出てきたという親子を私は何組も知っている。彼女らは、保証人になってくれる人が見つかるだろうか。

 さて従兄弟になんとお願いしようと考えながら家に戻り、息子に奨学金の話をすると、がぜん張り切り出した。そして高校在学中に、奨学金全額返済するくらい稼いでみせると豪語するではないか。

 どうやって稼ぐの? と聞いたら、iPhoneアプリを制作してオンライン販売するという。さらに、数学検定2級を活かして算数専門の家庭教師をするつもりだと。

 お金を自分で創り出す方法を10代の頃から考えるというのはとてもいいことだ。私も大学時代は、生活費は自分で稼がなくてはならなかった。そのときさまざまなお金の稼ぎ方を知った。そのなかのひとつが原稿書きだったのだ。

 そして友人に「息子が家庭教師先を探してるの」と笑い話のつもりで言ったら、「来年高校受験のうちの子、お願いできないかしら」と言われた。もしかすると息子の家庭教師デビューは近いのかもしれない!?


(更新 2011/2/ 3 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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