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ハガキ100枚、315円。

文・内藤みか

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 娘が行ってみたいというので、ビッグサイトのデザイン・フェスタに行ってみた。

 アート系コミケとでもいえばいいのだろうか、自作のイラストや雑貨などのブースが1000以上出展されているかなり大きなイベントだった。

 絵描き志望の娘は最近、展覧会やアート系イベントに積極的に参加するようになった。傘に絵を描いてみたり、アールデコの展示に行きたがったり、すっかりアートな9歳になりつつある。

 感心するのはきちんと「大きくなったら絵描きになるのだから、今から色々知っておきたいの」と考えているところだ。そういえば私も子どもの頃から「大きくなったら本を書くから本をいっぱい読んでおこう」と考えている子どもだったっけ。

 さて1000もの小さいお店に娘は驚喜し、ひとつひとつを真剣に覗き始めた。おこづかいとしてもらった1000円札をしっかり握り、欲しいポストカードを自分で買ったりしている。

 しかし1時間ほど経過すると彼女の足と頭が疲れ、アイスクリームをねだられた。「絵を描く人ってこんなにいっぱいいるんだね」と改めて世の中の広さを感じた様子。そして「さっき見た、ネコのストラップがどうしても気になる」とUターンして探し始めた。

 どこで見たのか......探してもなかなかそのネコが見つからない。娘はあきらめず、シラミ潰しにお店を回り、とうとうネコを見つけた。可愛くて人気があり、もう在庫僅かになっていたため、見つけるのに苦労したのだった。

 娘は祭りが大変気に入ったらしく、帰りの電車の中で、
「来年は私もあそこにお店を出す!」
 と言い出した。出展した知り合いに聞くとブースを出すには2万円もかかるという。
 娘にそれを説明してあきらめさせようとしたら、
「じゃあ2万円以上商品を売ればいいんだね!」
 とむしろ張り切り始めた。

 そして自作のお姫様イラストのポストカードを作って1枚100円で売ると言い始めた。困ってしまったけれど、何事も挑戦だと思い、私自身がツイッター小説とiPhone写真の展示を7月に原宿でやるので、その片隅でテスト販売してあげることにした。

 イラスト用に娘が買った無地のポストカードは100枚315円。果たして彼女の絵を買ってくれる人が現れるかどうか、親としてもドキドキである。


(更新 2010/5/20 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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