第1388回 坊さまのようなサーブ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1388回 坊さまのようなサーブ

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サーブ(阪野さん提供)

サーブ(阪野さん提供)

 サーブ(写真)はトイプードルの雄。

 サーブと初めて会ったのは、とあるペットショップだった。それまで飼っていた雄のダックスフントが、14歳で旅立ち、淋しさに耐え切れなくて子犬をもとめて行ったのだ。

 でもダックスフントはいない。帰ろうかなあと思っていると、私をじーっと見つめている犬がいた。生後50日の茶色の犬。目と目があった。

 ネズミくらいの大きさ。段ボール箱に入れ、電車に揺られて、わが家に来た。

 早速、息子は「サーブ」と命名した。盲導犬のサーブが、ご主人を救おうとして自ら車に飛び込み、片脚を失った。その名犬にあやかって、少しでも家族の支えになってほしいとの願いからである。

 サーブは利口者で賢い。一度行った散歩の道筋は完璧に記憶している。そして辛抱強く待つ。どんなに自分のことをしてほしくても、長時間心静かに待つ。

 気配りもできる。例えば餌を与えようとすると、先にちゃんと座る。首輪にリードを付けるときも、リードが付けやすいよう、良い姿勢を取ってくれる。

 しかし、欠点もある。拾い食いをするのだ。一度は、5センチほどの木切れを食べた。腹部を手術して、ようやく取り出せた。麻酔覚めやらぬとき、飼い主の声に応じる姿はいじらしかった。それからは、散歩のときは口輪をはめている。サーブも嫌がらない。

 サーブは余計なことは言わない。禅の坊さまのように考えこんでいる。決して人を差別せず、この90歳の老女を大切にしてくれる。サーブはもう9歳になった。これから共に助け合っていこうね。共に犬生と人生をエンジョイ!

(阪野光子さん/大阪府/90歳/無職)

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(更新 2020/9/ 4 )


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