第1314回 ちゃちゃ、そんなに薄情でなくても… 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1314回 ちゃちゃ、そんなに薄情でなくても…

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 12月もクリスマスが近づくと、恒例の隣家の猫「ちゃちゃ」(写真、雌)の世話が始まる。ちゃちゃは7年前くらいから飼われはじめた外猫だ。野良出身だから、いったいいくつになったのかわからない。

 当地は冬、時々大雪が降るし、寒さも半端ではない。そこで隣家は、12月下旬から3月下旬までの3カ月は那須を離れて暮らす。

 隣家は家猫2匹は連れていくが、外猫のちゃちゃは同伴できない。わが家は猫3匹と暮らす大の猫好き。かくして、ちゃちゃの世話係として白羽の矢が立ったというわけだ。
 ちゃちゃは隣家のデッキに作られた小さな小屋で暮らす。シートでおおわれ、冷たい強風が入らないように綿密に作られている。

 朝晩2回の餌を与えるのがわが家の役目だ。野良出身だから警戒心が強い。餌を容器に入れて立ち去っても手をつけないことが続いたが、さすがに空腹には耐えられず、食べてくれた。最近では、「待ってたよ。遅いじゃないか」と言わんばかりに猫なで声ですり寄ってくる。

 飲み水は容器に入れておくとすぐに凍る。幸い近くにせせらぎがあり、そこの水は凍らない。排泄も兼ねて、朝飯を食べると雪の上を歩いてせせらぎに行っているようだ。

 大雪の時はデッキの除雪が大変だ。雪に埋もれたままでは小屋の中は極寒だろう。元気に冬を乗り越えさせる責任は重大だ。冬場だけとはいえ数年にわたり世話をしていると情は移る。わが家の猫たちもちゃちゃも同じ命だ。その重さは変わらない。

 もうじき隣家が帰り、また日常の暮らしに戻る。日向ぼっこをするちゃちゃ、悠々とわが家の敷地を歩くちゃちゃに、「ちゃちゃ!」と声を掛けても知らんぷり。薄情なこと、この上ない。

(森 隆政さん 栃木県/67歳/無職)

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(更新 2019/3/ 6 )


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