ゴールデンレトリバーのエレナ君(写真)は、わが家にはもったいない犬です。
 彼は箱根のブリーダーさんの元で2カ月間育てられ、その1カ月後に秋田に来ました。
 来たときから優しくて、人間でもこんなに優しい人はそうはいません。2カ月の間にこんなに気立てよく育てた母親は、どんな犬だったのでしょう。優しさとはこういうことかと、いつも教えられています。
 彼は堂々としていて、凛々しく格好いい。父親は大きな大会の優勝犬と聞いていますから、それも道理のような気がします。特に格好いいのは何か獲物を見つけたとき。尻尾をピンと立て、四肢を踏ん張って見据える姿にはほれぼれします。
 獲物(ボール)を捕らえようとする瞬間の肉食動物的動作もすばらしいです。
 また、分をわきまえて邪魔になりません。控えめで、いつもご主人様を立ててくれるのです。
 40キロを超す巨体なのに臆病でとっても甘えん坊ですが、実際はとても強いのです。ボール遊びのとき、テリトリーを侵した犬がいたら、たちまちのうちに組み伏せてしまいました。菓子折りを持って治療費を払いに行ったこともあります。
 夜は8時になると室内でボール遊びをし、その後、ロープをつけてねんねの前の散歩。前になったり後になったりしながら、ゆったりした至福のひとときを共有します。
 散歩の途中で人に会うとすり寄って行きます。頭をなでてほしいのです。
 甘えん坊で寂しがりやのエレナ君。可愛くて可愛くてなりません。わが家によく来てくれたと感謝の気持ちでいっぱいです。
 そのエレナ君ももう8歳ですが、心残りが一つ。こんないい犬なのに、子孫を残せていないこと。どなたかいいお嫁さんを!

(関徹彌さん 秋田県/70歳/自営業)

【原稿募集中!】
「犬ばかばかペットばか」では、みなさまからの原稿をお待ちしております。
原稿は800文字程度で、ペットのお写真を添付のうえ、下記メールアドレスまでご送付下さい。
必ず名前、住所、年齢、職業、電話番号のご記入をお願い致します。

尚、掲載は本コーナーと「週刊朝日」の誌面となります。謝礼は6千円。
mypet@asahi.com
※著作権は本社に帰属します