第15回 入れ換わって想像してみる (1/2) |AERA dot. (アエラドット)

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第15回 入れ換わって想像してみる

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

「相手の立場になって考えなさい」

 と、よく言われる。

 でも、これって、けっこう難しい。

 とっさになかなかできない。

 だから、心に余裕がある時に、「入れ替わりの術」を使って、その人になって、自分のことを見てみる。

 意外と、これ、いろんな発見がある。

 人なんて思い通りになるはずがない。分かっているけれど、仲間に子供に夫についイライラしてしまう。

「わたしは、こんなに一生懸命にやっているのに……」

「なんで、わたしのことを分かってくれないの」

 わたしも、しょっちゅうそう思って、悲しくなったり、投げやりになったり。

 でも、心の余裕のある時に、入れ替わって楽しんでみる。

「わたしが、出張の時に、テレビばかり見てないで、ちょっとくらい部屋の掃除してくれたらいいのに」

 と、夫に腹を立てていた。

 そんな夫と入れ替わってみる。

「嫁もいないし、気楽やし、ふだんゆっくり観れないDVD借りて来よう!」

 そんなふうに考える自分がいる。それが分かると、

「そんなに自分の都合の良いように動いてもらえるわけないか」

 と、あきらめがつく。

「ちょっとは、連絡しなさいよ」

「ダラダラしてばかりいるんじゃない」

 と、しょっちゅう娘たちにイライラしている。

 そんな娘と入れ替わってみる。

「たまには、母親に連絡したほうがいいけど、連絡してもバタバタしているし、たまに会うと説教されるし、そっとしておこう」

「でも、お小遣いだけは欲しいなあ」

 そんな娘たちの気持ちになると、彼女たちの行動も分かる。

 人間、50歳を過ぎると、20代の部下やバイトとなかなか話がはずまないことだって多い。そんな彼らと入れ替わってみる。

「大谷さんに何を話せばいいんだろう」

「下手に話しても、突っ込みを入れられるだけかもしれないし……」

 そんなふうに考えてしまうだろう彼らの気持ちに気づく。


(更新 2015/5/26 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。

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