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新しい下北沢駅に行ってみました

文・中島かずき

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 小田急線の下北沢駅が3月23日から地下になりました。
 渋谷駅の東横線と副都心線の相互乗り入れによる地下化がニュースになっていましたが、こちらも渋谷ほどの主要駅ではないとは言え、井の頭線との乗り換えもあるし、演劇の町として有名、若い頃には住んでいたこともある町です。僕としては、渋谷駅の地下化よりもはるかに身近な変更です。
 思い出も結構あるので、とりあえず地上駅最終日の夜と、地下化になった翌日の日曜日に、下北沢に行ってみました。

 地上駅最終日は、金曜日ということもあって、改札口から階段、踏切と人がいっぱい。係員が出て立ち止まらないように誘導していました。
 改札口へ上る階段のあたりも写真を撮る人間もたくさんいましたが、それ以上に多かったのが駅近く、オオゼキというスーパーマーケットのそばの踏切。僕が住んでいる頃は、オオゼキではなく第一勧銀でした。
 ここはなかなか開かなかったから、僕も住んでいるときには随分イライラさせられたものです。
 それでもみなさん、なくなるとなると寂しいのでしょうか。電車が通るため踏切が降りると、みんな写真を撮っていました。
 この夜は、下北沢も随分人が出ていましたね。
 いきつけの串焼き屋も結構混んでるんじゃないかと顔を出すと、ここはなぜかガラガラ。
「外はあれだけ人がいるのになんで」と僕が聞くと「不思議だねえ。先週の週末は休む間もないくらい混んでたんだけどねえ」とマスターも首をひねる。
「今夜は一見さんが多いから、普通の居酒屋は混んでて、ここみたいな常連が多い所は空いてるのかもねえ」と言ってはみましたが、本当のところはわかりません。
 客商売は難しいものですね。

 日曜日、地下化2日目に、新しい駅を見に降車しました。
 まだ、工事中ですがとりあえず開業したという雰囲気で、最終的には地下2階が各駅停車、地下3階が急行のホームになるようですが、今はまだ地下3階のホームに全部の列車が止まるようになっていました。
 エスカレーターで地上に上がろうとすると、これが長い長い。地下2階から、1階と、かなり時間がかかります。
 井の頭線との乗り換えもこれまでは1、2分ですんでいたものが、5分かかるというアナウンスが流れていました。
 本来なら高架にしたかったのに、下北沢辺りは土地買収がうまくいかなくて地下化せざるを得なかったという噂も聞いています。
 もしそれが本当なら、現行の駅施設の土地面積の中で処理しなければいけないから、地下2階と3階になるのも仕方ないとは思うのですが、正直な感想をいわせてもらえば不便になりますねえ。
 下北沢の駅で降りるのも、井の頭線に乗り換えるのも、余裕を見なければなりません。下北沢に芝居を観に行くときも、今までの感覚よりは5分早めに動いた方がいいと思います。
 改札を抜けて町に出たときには、「やれやれ、やっと出た」という感じがしました。
 ベビーカーを押した若い夫婦が「エレベーターはないんですか」と係員に聞いていましたが、その口調がちょっと怒り気味だったのも気持ちはわかります。

 ちょっと話は違うのですが、帰り際、下りのエスカレーターで写真を撮ろうと携帯を出すと、一緒にいた家内に「エスカレーターで写メ撮ろうとすると、怪しい人だと思われるから気をつけて」と言われました。
 なるほど、盗撮と思われるのか。
 女性の視点でないと気づかなかったけど、ごもっともです。みなさんもご注意のほどを。


(更新 2013/3/28 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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