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作品が完結した後に、作り手が伝えられること

文・中島かずき

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『ZIPANG PUNK -五右衛門ロックⅢ-』もいよいよ大千秋楽となりました。
 今、新幹線の中でこれを書いています。
 明日の大千秋楽に立ち会うために、大阪に向かっているのです。
 東京のスタートが12月19日でしたから、約二ヶ月半。長い長い公演もついに終わりを迎えようとしています。
 キャストもスタッフも疲労はピークに来ているでしょうが、どうやら無事に幕を下ろせそうで、ホッとしています。

 大阪初日を観て東京に戻るとき、僕も「この芝居を見られるのは、あと一回。千秋楽だけなんだな」と思うと少し寂しくなりました。
 こういうお祭りのような芝居は、何度観てもまた観たくなります。
 芝居の盛り上がりにストレートに反応してワッと盛り上がってくれるお客さんを観ていると、こちらも高揚します。
 芝居という、生でお客さんの反応が見られるジャンルを選んで本当によかったと思う瞬間です。
 大阪にとどまり劇場にいりびたりたい気持ちはやまやまですが、特に仕事があるわけでもない脚本家がずっといるわけにもいきません。こちらも東京に仕事がありますし。
 
 大阪で『ZIPANG PUNK』をやっていますが、東京ではゲキ×シネの『髑髏城の七人』も上映しています。
 二回ほど上映前のトークショーに出させてもらいました。
 新感線のみんなが大阪で頑張っているので、その間、動ける者が東京で働くということでしょうか。
 二週連続だったので、お客さんがくるかどうか不安だったのですが、ふたを開けてみれば、多くのお客さんが足を運んでくれて、まことにありがたかったです。
 さすがに新感線のトークショーは、真面目にやりました。
 個人的には、ロフトプラスワンでやるアメコミやアニメイベントとか、グレンラガンラジオのように、まともなことは言わない感じの方が楽しいのですが、新感線関係だと客層が違います。第一ゲキ×シネ上映の前のトークですので、そこだけ妙に浮いちゃって、作品鑑賞の邪魔をしてもまずいですしね。
 僕は、グレンラガンのファンの間では、やたらによくしゃべるハイテンションなおじさんというふうに認知されているようです。DVDのオーディオコメンタリーや、イベント、ラジオなどでさんざん好き勝手やってきたのでそう思われてもむべなるかなですが、一番のホームグラウンドである新感線関係で表に出るときが一番おとなしいというのも妙なものだなと、たまに思います。

 ゲキ×シネといえば、今回の『髑髏城の七人』のパンフレットはとても読み応えがありました。
 演劇だと、宣伝は公演前がピークになります。
 やる前の意気込みを語ることは多いのですが、終わった後、その作品についてどう思ったか、特に役者さんの声がきける機会は少ないのです。
 芝居のパンフレットもそうですよね。稽古に入った段階でのコメントになるので、抱負は語れるが、なかなか作品全体を見渡した話にはなりにくい。
 公演が終われば、ゲストの役者さんにはなかなか会うこともないので、終わった後の感想をきくこともできない。
 今回のゲキ×シネのパンフレットは、公演終了直後のメインキャストにインタビューをしています。
 若い彼らがこの公演をどう思っていたのか、僕もしらなかったことばかりで、とても面白かったです。
 ゲキ×シネのスタッフには、今後のパンフレットもこんな風に公演終了後のキャストへのインタビューをやって下さいとお願いしました。

『ZIPANG PUNK』終了後、新感線初参加組の三浦春馬くん、蒼井優さん、麿赤兒さん、村井国夫さんや、経験済みの浦井健治くん、高橋由美子さんなどがどういう感想を持っているのか気になるところです。


(更新 2013/2/28 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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