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パジャマは俺の戦闘服

文・中島かずき

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平日は会社から帰ってきたあと、自宅で書き物の仕事をしています。
夕食をとり、風呂に入り、パジャマに着替えてお茶を入れて、さてやるぞということになります。

大学を卒業してすぐに就職し、劇団☆新感線に台本を書き始めたのが25歳の時。その時からずっと二足のわらじを履き続けているので、このパターンはもうすっかり身体に染みついているわけです。

最近ふと気がついたのですが、僕にとってパジャマ(冬は寒いのでスウェットですが)って第二の仕事着なのですね。まあ、今頃になって気づくなよという話なのですが。

物書きの仕事は夜型で、土日も朝まで書いて昼まで寝てるのが普通です。
ですので、冗談抜きに、原稿書いてる時のパジャマ率は非常に高い。まあ、この連載だって、寝る前のギリギリに書いてメールで送ってることが多いです。

この間、新しいパジャマを着てたら子供が、
「新しいの買ったんだ」
というので、
「おう、パジャマは俺の戦闘服だ」
と答えたら、ツボに入ったのか妙に喜んでました。
 
情けないなあ、パジャマが戦闘服の父親。

そう言えば、昔、三谷幸喜(みたにこうき)さんの作品に『パジャマ姿の快男児』というのがあったなあ。まだ東京サンシャインボーイズの頃です。作品というか、チラシに次回作としてそのタイトルだけが載ってて、結局芝居そのものは行われなかったという幻の作品なのですが。

いったいどんな快男児だったのか気になるところではあります。僕はいいタイトルだなあと思って印象に残っていたので公演中止は残念でした。
三谷さんの中止の理由が何だったかはわからないのですが、タイトルがはまりすぎると、逆になかなか実現しないこともありますね。

新感線の座長のいのうえひでのりから『メタルマクベス』というタイトルを聞いたのは、もう15年近く前のことでした。僕が最初に耳にしたのがそのくらい前だったから、彼自身が思いついたのはもっと昔かもしれない。
何度かそのタイトルの芝居を立ち上げようとしたのですが何かとうまく行かず、一昨年の2006年にやっと実現しました。

自分自身にもあります。気に入ったタイトルなのに、どうにも話が続かなかったり、企画その物が立ち消えになったり。これも14、5年前のことですが、『サイバーパンクラチオン』という作品は、タイトルと素材がマッチングしたいいタイトルだと気に入っていたのですが、諸々の事情により公演中止になってしまいました。

さて、今日もこのあとパジャマに着替えて新しい仕事にかかることにしましょう。
なぜか今日に限って夕食前にこの原稿を書いているのですね。まあ、例外はあるということで。
 


(更新 2008/10/30 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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