【Vol.20】在都外国人が語る「私たちが好きな東京の伝統行事」 |AERA dot. (アエラドット)

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ドイツ人のピーター・ザイン・ヴィトゲンシュタインさんは、首都圏を中心に展開するモダンドイツレストラン「シュマッツ」の経営メンバー。アメリカ人のマリベス・ボラーさんは、ケネディ元駐日アメリカ大使のプライベートシェフを経て、現在はケータリングシェフおよびシェフコンサルタントを務めています。2人が東京にやってきて驚いたのは、伝統行事が多いこと。伝統行事を「お祭り」と捉え、東京を楽しんでいるといいます。

【Vol.20】在都外国人が語る「私たちが好きな東京の伝統行事」


私たちが東京を選んだ理由

ピーターさん:ドイツで暮らしていた僕が、いざ東京に行こうと決めたのは20代後半の時。東京を知る人たちの話を聞くうちに、僕の好奇心に火がついたのです。なかでも興味深かったのは四季折々のお祭りや伝統行事。もちろんドイツにもお祭りはいろいろあるけれど、日本のお祭りはどれもローカルの文化を大切にしています。またお祭りを通して独自の精神文化や生活習慣まで学べることに、とても驚きました。

ピーター・ザイン・ヴィトゲンシュタインさん

マリベスさん:私はキャロライン・ケネディ氏がアメリカ大使として日本に着任されたことで、幸運にも公邸料理人として来日しました。公邸では、大使の生活や社交を通して、日本のしきたりや商習慣について学びました。彼女の任期が終わっても東京に残りたいと思ったのは、風土の良さや人の優しさもさることながら、料理人として日本の食文化の豊かさ、食材の素晴らしさをもっと知りたいと思ったから。私にとって東京は、日本各地の料理が味わえる場所だったからです。

マリベス・ボラーさん

日本の伝統行事は多彩!

ピーターさん:食と行事が結びついているのも、日本ならではですね。今回の対談場所であり、僕たちが経営する「シュマッツ」中目黒店は、桜の季節にオープンしました。中目黒は、目黒川沿いに桜が咲き誇る、東京の桜の名所。花見シーズンはお店も書き入れ時で、お客さまは皆ビールを飲んだり、おいしいものを食べたりしながら桜を愛でています。本当に素敵な習慣ですよね。僕たちが販売した桜色のビールを片手にソーセージを食べる、という人が店の周りにたくさんいて、とても幸せな光景でした。

写真提供:シュマッツ

マリベスさん:日本は年間を通して、皆が集まる祝い事が欧米よりも多い気がします。アメリカはせいぜい、クリスマスとサンクスギビングくらい。日本は、お正月やお花見の他に節分、女の子や男の子の節句、お月見など、暮らしの中で四季折々に伝統をリスペクトする風習があり、日々「祭り」に彩られています。そしてその時々によって、食べるものやお供えするものが違う。そうした文化に触れるたびに、日本人らしい機微を感じます。


東京は僕たちを受け入れてくれた

マリベスさん:ピーターさんは東京でドイツレストランを経営されていますが、反応はいかがですか?

ピーターさん:東京は多様性にあふれています。僕たちがここでやっていけると思ったのも、僕たちを受け止めてくれるという実感があったからです。もちろん、受け入れてもらうための努力はしました。創業メンバーのマークとクリストファーは創業前、東京の人気レストランをリサーチし、東京とドイツの共通点を見つけました。例えば、ポテトサラダとソーセージ。東京の居酒屋でもよく見られる定番メニューですが、ドイツでもソーセージはビールと一緒に食べられていますし、ポテトメニューも多くあります。大のビール好き、というところも似ています。

マリベスさん:なるほど。

ピーターさん:ただ、当時の東京にあったドイツレストランは高級な店ばかりで、ちょっとハードルが高いイメージだったんです。創業メンバーは「刺激的な東京で、ドイツビールと新感覚のドイツ料理が味わえる、気軽で居心地がいい店をつくりたい」と考え、カジュアルな路線で行くことにしました。

マリベスさん:ローカライズは大切ですね。そのためにはやはり、どちらの文化も知っておく必要があります。私が東京を選んだのは全国の食文化が集まっているからですが、実は世界の味にも寛容であると感じています。

ピーターさん:東京の人は、食以外でも寛容ですよ。お祭りもそのひとつ。さまざまな神社やお寺でお祭りが行われていますが、神様や土地の風習によって内容が異なる。多様なものを受け入れる東京人ならでは、ですね!

ピーター・ザイン・ヴィトゲンシュタイン
Peter Sayn-Wittgenstein

欧州の名門校IEビジネススクールで経営管理を学び、卒業後は多岐にわたる分野でキャリアを積む。「シュマッツ」参画後は、主にビジネスディベロップメントや物件開拓を担当。音楽にも造詣が深く、自身のレーベルを所有するほど。ドイツ語、英語、スペイン語を話すマルチリンガルで、これまでに10カ国での居住経験がある。
シュマッツ公式サイト:https://www.schmatz.jp/


マリベス・ボラー
Marybeth Boller

1991年から、世界的に有名なシェフが率いるニューヨークやロンドンの有名レストランで要職を歴任した後、2004 年に「Marybeth's Caterers」を開業。14年には駐日アメリカ大使館の公邸料理人に就任。現在は、ケータリングシェフおよび企業のシェフコンサルタントとして、東京で活躍している。
マリベス公式サイト:https://www.marybethboller.com/jp/index.html

写真:伊佐ゆかり
撮影協力:
シュマッツ 中目黒店
https://www.schmatz.jp/

本企画は『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されています。
このサイトの情報は、すべて2019年8月現在のものです。予告なしに変更される可能性がありますので、おでかけの際は、事前にご確認下さい。

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