【Vol.21】焼きそば、たこ焼き、かき氷…東京のお祭りフードは“ファンキー!”
東京の屋台フードは「ファンキー!」
ピーターさん:ドイツ人の僕が東京にやってきた理由の一つは、四季折々のお祭りや行事に興味を持ったから。特にレストラン経営者として気になるのが屋台です。なんといっても、東京の屋台はとってもファンキーですよね(笑)。
マリベスさん:へえ。どんなところが?
ピーターさん:僕たちが経営する「シュマッツ」は首都圏にいくつか店舗があり、そのうちの一つが中目黒にあるのですが、地元のお祭りである「中目黒桜まつり」の屋台は、特大の鉄板で焼きそばを豪快に焼いていたり、丸いたこ焼きがずらーっと並んでいたり。そして屋台を照らす電球もついていて、装飾も独特だし……。これ、ファンキーだと思いませんか!?
お祭りフードは街を元気にする
マリベスさん:私はキャロライン・ケネディ氏がアメリカ大使として日本に着任されたことで、公邸料理人として東京に来ました。東京で驚いたのは、様々なスタイルのお祭りがあるところ。神社やお寺のお祭りに加えて、街おこし的なイベントがあります。例えば、日本橋では、着物を着て買い物をしたりレストランに行ったりすると、割引があったり。商店街のバーやカフェをホッピングして、スタンプラリーをしたり。
ピーターさん:面白そう!
マリベスさん:料理人として最近注目しているのは「食」にフォーカスしたお祭りですね。海外に目をやると、例えばアメリカではガーリックの収穫を祝うお祭りがありますし、各地のワインやクラフトビールを味わうお祭りや、バーベキューの技を競うBBQフェスティバルもあります。
ピーターさん:ドイツでもワインやビール、農産物をお祭りで出して街おこしをしているところは多いですね。またロンドンのカムデンタウンは、かつてはストリートファッションがメインだったけれど、今は露天の洋服店と軒を連ねるストリートフードの方が面白い。食べ物は街に活気が出る要素の一つだし、人が来るモチベーションにもなりますね!
マリベスさん:日本だと、数十もの酒蔵が集結して試飲ができる日本酒のお祭りは面白かった! またオクトーバーフェスではビールを、肉フェスではバーベキューを……と、日本のお祭りを通して、日本文化の多様性を感じました。
ビビッドで可愛いかき氷に感動!
ピーターさん:僕は、夏祭りでかき氷を食べたときは感動しましたよ! 食べ物としてはとてもシンプルだけれど、おいしくて色がビビッドで可愛い。そして、屋台フードはどの料理もオペレーションが簡易的にできるように考えられていることに気づきました。ドイツ人の僕としては、ソーセージが売られているのはいいですね(笑)。
マリベスさん:それぞれが好きなものを食べつつも、同じテーブルを囲める、ニューヨークの「フードホール」に注目しています。世界各国の料理と個性的な料理人の料理が楽しめて、家族とでも友達とでも、それぞれが好きなものを買って食べる。楽しいのは皆でテーブルを囲むこと! 東京にもそんな場があったらいいのに。
ピーターさん:新宿や渋谷の横丁の飲み屋文化は面白いですよ。
マリベスさん:私たちも東京に住む外国人フードクリエーターとして、東京の食文化に貢献できたら楽しいですね。
ピーター・ザイン・ヴィトゲンシュタイン
Peter Sayn-Wittgenstein
欧州の名門校IEビジネススクールで経営管理を学び、卒業後は多岐にわたる分野でキャリアを積む。「シュマッツ」参画後は、主にビジネスディベロップメントや物件開拓を担当。音楽にも造詣が深く、自身のレーベルを所有するほど。ドイツ語、英語、スペイン語を話すマルチリンガルで、これまでに10カ国での居住経験がある。
シュマッツ公式サイト:https://www.schmatz.jp/
マリベス・ボラー
Marybeth Boller
1991年から、世界的に有名なシェフが率いるニューヨークやロンドンの有名レストランで要職を歴任した後、2004 年に「Marybeth's Caterers」を開業。14年には駐日アメリカ大使館の公邸料理人に就任。現在は、ケータリングシェフおよび企業のシェフコンサルタントとして、東京で活躍している。
マリベス公式サイト:https://www.marybethboller.com/jp/index.html
文:村上由 写真:伊佐ゆかり
撮影協力:
シュマッツ 中目黒店
https://www.schmatz.jp/
本企画は『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されています。
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