【Vol.05】ありきたりな観光旅行に飽きた…東京観光上級者のための盆踊り講座
露店でローカルフードを味わい、
浴衣で夏の東京を堪能
盆踊りといっても規模はさまざま。数万人が集まる音楽フェスティバルばりの巨大なものもあれば、街角で行われている小規模なものもある。
だが、大抵の盆踊り会場には露店が立ち並び、さまざまなローカルフードが販売されていることだろう。まずはそれらをつまみながら、全体像を眺めてみよう。露店では焼きそばやたこ焼きなどお祭りの定番がおいしそうな湯気を上げていることもあれば、各地域の名物料理が並ぶことも。また、輪投げや射的といった昔ながらの遊びを楽しめる露店もあり、子どもたちでにぎわっているはずだ。
盆踊りに参加する際はどんな格好でも基本的に問題はない。だが、せっかくであれば、日本の伝統服である浴衣に挑戦してみるのはどうだろうか。近年では若者のあいだでも浴衣の人気が高まっており、都内ではリーズナブルに浴衣を体験できる着付け教室も増えている。なかには英語などに対応した教室もあり、ネットで検索すれば簡単に見つけることができる。
踊りの輪に入ることで見えてくる
「もうひとつの東京」
浴衣の着付けもバッチリ、露店で腹ごしらえも済んだ。では、思い切って踊りの輪の中に飛び込んでみよう。振り付けが分からない? 最初は見よう見まねで十分、踊りの輪に合わせて歩いているだけでも問題はない。そのことについて、あなたを批判してくる踊り手はひとりもいないはずだ。
なお、踊りの輪の中と外では、まったく異なる風景が広がっている。外にいるあいだは盆踊りの「観客」にすぎないが、中に入ることであなたは盆踊りの「参加者」になることができる。
盆踊りの振り付けはいたってシンプルなもの。簡単なパターンの繰り返しで構成されているので、見よう見まねで踊っているうちに、気づいたらその振り付けをマスターしていることだろう。
また、YouTube(※)には盆踊りの振り付け動画が多数アップされている。「東京音頭」や「炭坑節」など東京のどの盆踊りでも踊られているスタンダードナンバーを自宅で練習し、盆踊り会場で実際に踊ってみるのもいいだろう。
盆踊りの醍醐味は、一晩踊り続けることによってその町にぐっと近づくことができるという点にある。ありきたりな観光旅行に飽きてしまった東京観光上級者には、ぜひ盆踊りを通した東京体験をおすすめしたい。
※YouTubeはGoogle LLCの商標または登録商標です。
文:大石始 写真:大石慶子
本企画は『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されています。