【Vol.16】春を呼ぶ高尾山薬王院の年中行事。都心からも近い霊山で修行体験! |AERA dot. (アエラドット)

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真言宗智山派の関東三大本山のひとつ、高尾山薬王院。天平16(744)年の創建と伝えられるこの古刹では、毎年3月、浄火により災厄を祓う「火渡り祭」が行われる。古くから山岳信仰の地であった高尾山を舞台とし、毎年国内外の観光客で大いににぎわう。春の東京を代表する祭りのひとつだ。

【Vol.16】春を呼ぶ高尾山薬王院の年中行事。都心からも近い霊山で修行体験!


日本各地で行われる火渡りの修行。
意外なところではヨーロッパでも

 都心からのアクセスもいい八王子市にある高尾山は、ケーブルカーを使えば山頂まで気軽に登れることもあって、一年を通じて多くの人々が訪れる。また、もともと修験道の霊山だったこともあり、現在も古くからの信仰の痕跡を見ることができる。そんな霊山としての高尾山の姿を現代に伝えるのが、高尾山薬王院で毎年行われる「火渡り祭」だ。

 火渡りとは修験道の修行の一環として行われる荒行。ブルガリアやギリシャではギリシャ正教の儀式としても火渡りの風習が伝えられているそうで、火にまつわる古来の信仰心と結びついた儀式でもある。高尾山の火渡り祭も本尊である飯縄大権現の浄火により、災厄を祓うことを目的としている。そこには世界平和、息災延命、災厄消除、交通安全、身上安全の願いも込められている。

 また、火渡り祭は山伏の修行として続けられてきたが、燃えさかる炎の中を行者たちが素足で歩く修行の風景を見るべく、多くの観客もやってくる。海外では「Mt.Takao Fire-Walking Festival」と呼ばれており、日本をよりディープに知ろうとする訪日外国人の間でも人気が広がっているという。

一般参加者も火渡り体験が可能。
火柱によって不浄が清められる

 火渡り祭は午後から始まる。ほら貝の音色に導かれて行者たちがやってくると、修法する導師を本座へ案内する「大導師招待(だいどうししょうたい)」、金剛の智慧(ちえ)の火により行者の不浄を焼きつくす「火切加持(ひきりかじ)」、信徒各位の願い事を本尊に述べる「願文(がんもん)」などさまざまな儀式が執り行われる。

 その後、こんもりと積み上げられたヒノキの葉に着火。すぐさま会場はもうもうと立ち上る煙に包み込まれる。行者たちはそのかたわらで、熱湯で身心を清める「湯加持(ゆかじ)」を行う。そうしたいくつもの行程を経て、火渡りの修行「火生三昧(かしょうさんまい)」が行われる。その光景を見ていると、高尾山が古くからの山岳信仰の地であったことを再認識させられる。
 なお、この「火生三昧」のあと、一般の参加者も火の上を渡ることができる。裸足になる必要があるが、声を上げるほど熱いというわけではない。心の内に諸願成就を祈願しながら、残り火の上を素早く駆け抜けよう。当日は火伏(ひぶせ)の御札である「梵天札」や火渡り修行を行ったことを証明する「渡火証」も授与(販売)されるので、旅の思い出として購入するのもいいだろう。観客として外部から見るだけでなく、修行体験もできる高尾山の火渡り祭。ひと味違う祭り体験ができるはずだ。

高尾山火渡り祭

毎年3月第2日曜日

会場:高尾山薬王院 自動車祈祷殿広場
高尾山火渡り祭 
https://www.takaosan.or.jp/taiken/hiwatari.html

文:大石始 写真提供:高尾山薬王院
本企画は『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されています。
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