【Vol.10】祭りとは一体何のために行われているのか。意外と知らないその目的とは? |AERA dot. (アエラドット)

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日本列島では、春夏秋冬を問わず、あらゆる場所で祭りが行われている。そのなかには巨大な山車や神輿が行き交う大がかりなものもあれば、家庭内で行われる小規模なものもあり、種類はさまざま。そこにあるのは、日本人がなかば無意識のうちに育んできた信仰心だ。

【Vol.10】祭りとは一体何のために行われているのか。意外と知らないその目的とは?


祭りの背景に広がる
アニミズム的な信仰心

「祭り」とは本来、「神を祀る」という行為そのものを意味している。ただし、森田玲が『日本の祭と神賑』(創元社)において、祭りの目的を「カミの御霊の活性化や鎮魂、豊作祈願や収穫感謝、雨乞いや雨喜び、悪霊・怨霊・疫病の類いの遷却、先祖供養など多岐にわたり、祭の様式も時代や地域、祭の目的によってさまざまである」としているように、祭りといってもそのスタイルは地域によって多種多様だ。なお、ここでいう「カミ」とは神社で祀られている神様にかぎらず、山などの自然や動植物も含まれている。そこにはあらゆるものに八百万の神を見いだす、アニミズム的な信仰心が横たわっている。

 祭りのなかでも代表的なものが、各地の神社で行われている例大祭。神田神社(千代田区外神田)の神田祭、日枝神社(千代田区永田町)の山王祭、そして富岡八幡宮(江東区富岡)の深川八幡祭りは「江戸三大祭り」と呼ばれ、古くから江戸~東京の住人たちに親しまれてきた。鳳輦(ほうれん:屋形の上に金銅の鳳凰を飾った輿)や神体を乗せた神輿などが練り歩く光景は、実に勇壮なものである。

 そうした祭礼の際には巨大な山車が引かれることも(地域によっては「曳山」や「屋台」とも呼ばれる)。2016年には東北から九州まで18府県の33行事が、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録され、国内外から注目を集めているが、東京でも赤坂氷川祭(港区赤坂)やくらやみ祭(府中市)、青梅大祭(青梅市)などの山車祭りが行われている。

厳かな神事から
家庭内の「祭り」まで

 神社ではそのほかにも新嘗祭(にいなめさい)や大祓(おおはらえ)など、年間を通してさまざまな祭りが行われているが、その際、祭り囃子(ばやし)や巫女舞などの歌舞音曲が奉納されることもある。神楽のように舞や囃子などが融合した祭祀も各地で行われており、高千穂の夜神楽(宮崎県)のように夜を徹して執り行われるものも。こうした祭りは基本的に厳かな雰囲気のなかで行われるが、集落のエンターテインメントとして継承されてきたという側面もあり、音楽やダンスの一種として楽しむこともできるだろう。

 日本列島では、日々の暮らしのなかでもさまざまな祭りが行われている。たとえば建物を建てる前に工事の無事を土地の守護神に祈る地鎮祭もそのひとつ。そのほかにも雛人形を飾って女の子の成長を祈る雛祭り、鯉のぼりを飾って男の子の成長を願う端午(たんご)の節句、さらには神棚にお神札(ふだ)を祀り、家族でお参りするという行為も祭りの一種といえる。そうやって考えてみると、「日本列島では常にどこかで祭りが行われている」といっても過言ではない。

文:大石始 写真提供:アフロ
本企画は『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されています。
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