現代アンビエント・ハープの才媛=メアリー・ラティモア、レア音源集『Collected Pieces: 2015-2020』発売決定

2021/12/24 14:32

現代アンビエント・ハープの才媛=メアリー・ラティモア、レア音源集『Collected Pieces: 2015-2020』発売決定
現代アンビエント・ハープの才媛=メアリー・ラティモア、レア音源集『Collected Pieces: 2015-2020』発売決定


 アンビエント・ハープの才媛、メアリー・ラティモアのレアリティ音源集『Collected Pieces: 2015-2020』のフィジカル・リリースが決定し、収録曲から「We Wave From Our Boats」のミュージック・ビデオが公開された。
 この限定盤は、彼女の2つのレアリティ集『Collected Pieces I』(2017年)と『Collected Pieces II』(2020年)からのセレクションを配列し、アーカイブのハイライトと、ファンのお気に入りを初めて収録。ラティモアは、これらのリリースをアレンジするプロセスを「思い出の詰まった箱を開けるようなもの」と表現しているが、ここではその箱が、アーティストとファンの両方にとってアクセス可能な形で、出現し続けるのだ。年月を隔てて集められた作品は、思い立ったらすぐに録音し、共有するインストゥルメンタル・ストーリーテラーの肖像として、ほとんど間を置かずに並べられている。<Ghostly>と契約して以来5年間、常に前進してきたように見えるラティモアは、一息つくために後ろを振り返り、このはかない瞬間と感情、その中にあるすべての美、悲しみ、太陽、そして暗闇を生きるための新しいチャンスを誘う。
 おなじみのハープで始まる冒頭の「Wawa By The Ocean」は、ラティモアのお気に入りのコンビニエンス・ストア、米ニュージャージー州シップボトムのWawa #700への頌歌だ。「夏休みに一人でシップボトムに12回行ったけど、特に変わりはない。いつも夢の中で訪れている」と、この曲のリリースに際して彼女は語っている。そして、この楽しいパターンが展開されるたびに、きっとあのビーチサイドのランドマークが、ホーギーと一緒に目に浮かぶのだろう。
 新しいシングル「We Wave From Our Boats」は、2020年のロックダウン初期に近所を歩いた後に即興で作ったもので、彼女のBandcampで公開されている。「私はただ連帯のジェスチャーとして知らない隣人に手を振っていたんだけど、それは自分がボートに乗っているときや橋の上などで、他のボートの人に手を振らざるを得ないことを思い出させるものだった。手を振りたいという気持ちは、生まれつきのもので、とても自然なことなんだ」と彼女は話す。この曲の中心はシンプルなループの上で、ラティモアのシンセ音が漂い、最も不安で不条理な日々の中で楽観主義の優しいきらめきを与えている。
 同じく2020年に録音された「What The Living Do」は、マリー・ハウの同名の詩からインスピレーションを得ており、人間であることのありふれた雑感への感謝を通して喪失について考察している。エコーがかかったスローマーチのトラックは、リスナーがその外側にいて、人生が映画のように展開するのを眺めているような、遠い感じを感じさせる。「Princess Nicotine (1909)」は、J・スチュアート・ブラックトンのシュールなサイレント映画『Princess Nicotine』か『the Smoke Fairy』のためにラティモアが想像した夢のシーンを音像化し、MVで実際の映像で表現したもの。「Polly of the Circus」も同じ手法で、ユーコンの永久凍土で発見された古いサイレント映画(ドキュメンタリー映画『Dawson City: Frozen Time』に収録)の名前からとったもので、「唯一残ったコピーで、経年変化でちょっと歪んでいる」と説明している。
 「Mary, You Were Wrong」は、ある作家の失恋を映し出したもので、「この曲は、たとえ間違いを犯したとしても、前進し続けなければならないということを歌っているのです」と彼女は言う。このほろ苦いリフレインは、時間が癒してくれるように、ゆっくりと、毎回少しずつ明るくなるように繰り返される。
 この集大成ともいえるレアリティ集は、愛機Lyon and Healy Concert Grand Harp、コンタクトマイク、ペダルのみで、その場で録音されたものがほとんどである。『ツイン・ピークス』のマーガレット・ランターマン(丸太おばさん)役の女優の方が亡くなったことを描いたもの(「We Just Found Out She Died」)、アメリカの宇宙飛行士の帰還(「For Scott Kelly, Returned To Earth」)、食人の妻についてのジョーク(「The Warm Shoulder」)、眼鏡をなくしたチャップリン風の人物(「Be My Four Eyes」)、駐車場でピカピカの車を運転している高校生(「Your Glossy Camry」)など、さまざまな曲がある。
 これらの曲は、彼女のオリジナル・アルバムと同様に、ラティモアの観察者としての才能を示し、感情の周波数やシーンに合わせて彼女の作品を形作ることができるのだ。彼女の音楽家としての力は、鮮明なディテール、深い共感、自然やニュアンスへの深い感謝の念など、彼女が世界をどのように見ているかに根ざしている。
◎リリース情報
アルバム『Collected Pieces: 2015-2020』
2022/1/14 RELEASE
ARTPL-165 / 2,200円(plus tax)
※限定盤
※正方形紙ジャケット仕様

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