巨匠ジェームズ・キャメロンが激白、『ターミネーター』シリーズはなぜこんなにアツく共感させるのか
巨匠ジェームズ・キャメロンが激白、『ターミネーター』シリーズはなぜこんなにアツく共感させるのか

 『ターミネーター2』の正統な続編となるシリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』が2019年11月8日より全国公開となるが、このたび、シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンが、シリーズに共感できる理由は“誰もが考える未来の可能性が詰まったストーリー”だと明かした。

 人類滅亡の日“審判の日”は1度は回避したと思われたが、その危機はまだ終わってはいなかった……。人類の命運を握る女性ダニーを守る謎の戦士グレースと、女性の命を狙う凶悪に進化を遂げた最新型ターミネーターREV-9(レヴ・ナイン)との壮絶な攻防。そして彼らの前に現れる、サラ・コナーとT-800。人類と地球の未来をかけた壮絶な戦いの火ぶたが、再び切って落とされる。

 『ターミネーター』シリーズはなぜこんなにも人々の心を掴み、共感させるのか。第1作とシリーズ最大のヒットを記録した第2作を手掛けた巨匠ジェームズ・キャメロンは、「『ターミネーター』シリーズには何も知らない登場人物、つまりターミネーターが襲うターゲットとなるキャラクターがいる。なぜ未来から来た彼らに命を狙われるのか? その理由は、そのキャラクターの存在が今は想像できなくても、未来に大きな意味を持っているからだ。これは誰もが共感できるストーリーだと思う」と、自分の未来を知らない登場人物が巻き込まれていくストーリーが理由だと明かす。

 「たとえば、『私は自分の人生を生きているだけで、あまり重要な存在だとは思わない。でも、将来的に私がとても重要になるとしたら? 私の存在が大きな影響をもたらすとしたら? もし知っている人が未来の有名人になったら?』と誰もが考えることはあると思うんだ。こういう予想はワクワクするよね」と、日常生活で私たちも1度は考えたことのあるような想像の具体例を挙げる。誰もが考えてしまう未来の可能性が詰まった、どこか親近感のあるストーリーが描かれているからこそ、観客は『ターミネーター』シリーズに共感できるのだ。過去2作でこの境遇に当てはまるキャラクターと言えば、ごく普通のウェイトレスから世界を救うこととなったサラ・コナー。一方、本作でも自分の未来を何も知らないかつてのサラ・コナーのようなキャラクターが登場する。自動車工場で働くごく普通の日常から、突如現れたREV-9の襲撃により、壮大な運命に巻き込まれていく女性ダニーだ。キャメロンの提示したシリーズに共感できる理由に当てはまる彼女の物語にも共感必至だろう。

 キャメロンは本作のストーリーを描く上で「このシリーズは時代の産物だ。だから、私は『今、ターミネーターが関わりのあるものは何か?』を考えた。今や明らかに、邪悪な人工知能という目前に迫った脅威が、SFではなくなってきている。AI研究のコミュニティや、世界の各地で本当に討論されていることだ」と、観客がより『ターミネーター』の世界観に没入できる設定にこだわったことを明かす。

 本シリーズのみならず、『エイリアン2』(1986)や『アバター』(2009)など数々のSF映画の傑作を生み出してきたキャメロン。本作ではどのように共感できる、エモーショナルな物語が待ち受けているのか? 今から期待が高まるばかりだ。

◎公開情報
『ターミネーター:ニュー・フェイト』
2019年11月8日(金)より、全国ロードショー
監督:ティム・ミラー
製作:ジェームズ・キャメロン、デイヴィッド・エリソン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボネータほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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