【米ビルボード・アルバム・チャート】SuperMが初登場1位、サマー・ウォーカーがストリーミング新記録
【米ビルボード・アルバム・チャート】SuperMが初登場1位、サマー・ウォーカーがストリーミング新記録

 K-POPグループ=SuperMのデビュー・ミニ・アルバム『SuperM: The 1st Mini Album』がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 SuperM(スーパーエム)は、SHINeeのテミン、EXOのカイとベクヒョン、NCT127のテヨンとマーク、WayVのテンとルーカスの7人により結成された、コラボレーション・ユニット。いずれのグループも本国や日本ではヒットを連発しているが、アメリカでのTOP10入りは7人それぞれのグループにとって初の快挙達成となる。なお、NCT127が今年5月にリリースしたEP『We Are Superhuman』は11位に初登場したが、TOP10入りは惜しくも逃している。

 『SuperM』の初動ユニットは168,000で、そのうちアルバムの売上枚数が164,000枚。ストリーミングによるユニットはわずか3,000で、そのほとんどをセールスが占めた。残りの1,000枚は楽曲単体によるTEAユニット。ストリーミングによるユニット数が少ないのには、7曲(うちインストゥルメンタルが2曲)という曲数の少なさもあるが、7月6日付チャートで2位に初登場したリル・ナズ・XのデビューEP『7』は、同じ7曲ながらも7万ユニットを超えるストリーミング数を記録している。

 一方、セールスが圧倒的に強かった理由としては、それぞれ異なる8種類のパッケージ(CD)販売や、コンサート・チケットの連動、公式ウェブサイトで購入できる販売特典等が挙げられる。パッケージやダウンロードの売上が低迷する中、ストリーミングの弱いアーティストは特典をプラスしてセールスに繋げている。K-POPアーティスト初の全米1位を記録したBTSも、数種類のパッケージ形態でリリースしたことがセールスに大きく貢献している。SuperMは、そのBTSに続くK-POPグループ2番目の全米首位獲得アーティストとなった。

 続いて2位にデビューしたのは。米アトランタ出身の女性R&Bシンガー=サマー・ウォーカーの『Over It』。昨年10月に発表したミックステープ『Last Day of Summer』以来1年ぶりの新作で、実質上のデビュー作ということになる。最高位44位どまりだった『Last Day of Summer』から一気にTOP10入りを果たしたのは、今年に入ってリリースしたドレイクとのコラボ・ソング「Girls Need Love」や、R&Bチャート6位を記録した「Playing Games」など、先行シングルのヒットが理由として挙げられる。

 『Over It』の初動ユニットは134,000で、そのうちアルバムのセールスが14,000枚、ストリーミングによるユニット数は119,000と、1位のSuperMとは対照的な比率だった。ユニット数自体も非常に高く、女性R&Bアーティストとしては2016年4月にビヨンセが発表した『レモネード』がチャートイン3週目で記録した202,000ユニット以来の高記録。週間視聴回数は1億5,470万回で、初動ストリーミング数としては『レモネード』の1億1,520万回を上回る、女性R&Bアーティスト最大の記録更新を果たした。なお、R&Bアーティスト総合でも2番目に高い記録で、トップはザ・ウィークエンドが『スターボーイ』(2016年)で記録した1億7,520万回。

 ドレイクとのコラボ曲「ノー・ガイダンス」のロング・ヒットと、 新曲10曲を追加したデラックス盤『インディゴ(エクステンデッド)』が10月4日にリリースされたことを受け、 クリス・ブラウンの『インディゴ』は前週の13位から6位にTOP10復帰した(39,000ユニット)。一方、先週No.1デビューを果たしたダベイビーの『カーク』は、今週4位まで転落している(75,000ユニット)

 9位に初登場したのは、米ジョージア州のカントリー・シンガー=ブラントリー・ギルバートの最新作『Fire & Brimstone』。前作『The Devil Do n’t Sleep』(2017年)から約2年半ぶり、通算5作目となるスタジオ・アルバムで、その前作が記録した2位から大分順位は落としたが、最高4位をマークした2ndアルバム『Halfway to Heaven』(2010年 / 4位)から4作連続のTOP10入りを果たしている。週間ユニットは36,000で、アルバムの売上枚数が28,000枚。コンサート・チケットとの連動があれば、もう少し売り上げを伸ばせていたかもしれない。本作からは、女性カントリー・シンガーのリンゼイ・エルとデュエットした「What Happens in a Small Town」が、カントリー・エアプレイ・チャートで7位のヒットを記録している。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、10月18日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『SuperM: The 1st Mini Album』SuperM
2位『Over It』サマー・ウォーカー
3位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
4位『カーク』ダベイビー
5位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
6位『インディゴ』クリス・ブラウン
7位『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
8位『I'm Him』ケヴィン・ゲイツ
9位『Fire & Brimstone』ブラントリー・ギルバート
10位『ソー・マッチ・ファン』ヤング・サグ