久石譲が振り返る『二ノ国』の昔そして今 「音楽をやるということは、自分にとって生きることですから」
久石譲が振り返る『二ノ国』の昔そして今 「音楽をやるということは、自分にとって生きることですから」

 映画『二ノ国』の音楽を担当し、RPG『二ノ国 漆黒の魔導士』の楽曲制作から関わり続けている久石譲が、誕生から映画化までの約10年の道のりを振り返った。

 映画化に至るまで10年もの歳月をかけ構想された超大作『二ノ国』。現実の世界(一ノ国)から、命が繋がっているもう一人の自分が存在する“二ノ国”へと偶然にも迷い込んでしまったユウとハルは、幼馴染みのコトナと二ノ国の姫アーシャの命が繋がっていると知り、“命”を巡る<究極の選択>を迫られる。

 久石はRPG『二ノ国 漆黒の魔導士』の楽曲制作をしていた頃の自身を「うーん、昔のことを考えないので忘れた! あまり興味ないし(笑)」と少しおどけながらも、「その時その時で精一杯作っていますからね。ただ、あの頃はこうやったんだなということが分かります。でも今は同じやり方はしていない。頑張ってよく書いたなと思うくらいの感じですね。」と振り返った。

 『二ノ国 漆黒の魔導士』が世に出たのは、2010年の12月。一ノ国と二ノ国という命が繋がる二つの世界を舞台にしたこれまでにない世界観、スタジオジブリの雰囲気をまとったアニメーションに、豪華な吹替えキャスト、そして音楽には久石譲という奇跡のコラボが話題となり大ヒットを記録した。それから約10年の時を経て、遂に『二ノ国』が映画化。本シリーズに音楽面で関り続けてきた久石は、「エンターテイメントの仕事は好きです。(製作総指揮/原案・脚本の)日野(晃博)さんをはじめ、いろいろな方とコミュニケーションを取ることで新しい表現が生まれるのです。自分だけではやらないようなこともやったりするので、新しい発見もある。すごい楽しいですよね。音楽をやることは自分にとっては生きることですから。」とその秘めたモチベーションを明かした。

 作曲家として不動の地位を確立しつつも、今なお新しい表現を模索し続ける久石譲。映画『二ノ国』の音楽は、そんな久石の音楽への飽くなき探求心から生まれた。久石は「今年の2月にパリでコンサートをした時、フランスの有名なメディアにインタビューを受けたのですが、みな『二ノ国』を知っているのです。今度映画化されるんですよね? 音楽をやるんでしょう? と質問がありました。」と海外での知名度に驚きつつ、「世界中が期待している作品なので、私の希望としては日本だけではなく、海外にも映画と共に自分の音楽が届けられればと思っています。」と『二ノ国』の世界展開への希望を語った。

 ユウ、ハル、そしてコトナの3人の運命は二つの国をまたにかけ、壮大且つドラマチックに展開してゆく。自分の愛する人を守るため、命を秤にかけることはできるのか? 果たしてユウとハルが下した決断とは!? この夏、青春ファンタジーの新たな金字塔が誕生する。

◎公開情報
『二ノ国』
現在公開中
監督:百瀬義行
製作総指揮/原案・脚本:日野晃博
音楽:久石譲
キャスト:山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁、宮野真守、坂本真綾、梶裕貴、津田健次郎、山寺宏一、伊武雅刀、ムロツヨシほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2019 映画「二ノ国」製作委員会