カイリー・ミノーグ 『ゴールデン』(Album Review)

2018/04/09 14:20

カイリー・ミノーグ 『ゴールデン』(Album Review)
カイリー・ミノーグ 『ゴールデン』(Album Review)


 2015年にリリースされたクリスマス・アルバム『カイリー・クリスマス』以来、およぞ3年ぶり、通算14枚目のスタジオ・アルバムとなる、カイリー・ミノーグ の新作『ゴールデン』。パンチ効いてないな~と嘆きたくなる、奇抜さに欠けるジャケットも致し方ない。本作のコンセプトは、“ 異なる方向 ”を示した、本来の自分らしいアルバムなのだから…
 そういった“ 49歳等身大 ”のカイリーを実感できるのが、バンジョーの演奏をバックに早口で歌詞を並べる「ア・ライフタイム・トゥ・リペア」や「ワン・ラスト・キス」、 シェリル・クロウを意識した、アコースティック・ギター弾き語りのオーガニック・ソング「レディオ・オン」、手拍子でリズムを取る「ライヴ・ア・リトル」といったカントリー・ポップだろう。ロンドン出身のフォーク・シンガー=ジャック・セイボレッティとのデュエット曲「ミュージックス・トゥー・サッド・ウィズアウト・ユー」や「ロスト・ウィズアウト・ユー」は 、 年齢を重ねたからこそ醸し出せる説得力がある。
 お得意のフロア・トラックは、 話題を呼んだ先行シングル「ダンシング」や、カイリーのキュートなボーカルが最大限に活かされた王道ポップスの「ゴールデン」、理屈抜きで魅力的なポップ・アップ・ナンバー 「シェルビー・68」など、大ヒット作『フィーバー』(2001年)ではなく、1988年のデビュー・アルバム『ラッキー・ラヴ』に回帰したような作り。思わず手拍子を重ねたくなる「ロスト・ウィズアウト・ユー」や、バロック・ポップぽい「シンシアリー・ユアーズ」も、ハッピーな感じがカイリーらしくて良い。もちろん、UKウケしそうな 「レイニング・グリッター」や「ラヴ」など、2000年以降のカイリーっぽい曲もある。先行シングルの 「ダンシング」は、イニシャル・トーク・リミックスとアントン・パワーズ・オルタナティヴ・リミックスを収録。
 プロデュースは、カントリー・デュオ=フロリダ・ジョージア・ラインやラスカル・フラッツなどを手掛けるジェシー・フレジャー、カイリーの「ラヴ・アット・ファースト・サイト」やスパイス・ガールズの「ワナビー」、最近ではエリー・ゴールディングの「ライツ」をヒットさせたリチャード・"ビフ"・スタナード、そしてレディー・ガガやブリトニー・スピアーズを手掛けるマーク・テイラーが担当している。 これまでの作品は、比較的フロア向けのものが多かったが、本作はホーム・リスニングにも最適なアルバム、ともいえるアダルト・コンテンポラリー的要素も満載。
 ここ最近は、 俳優=ジョシュア・サスとの破局報道や、 ボトックス中毒の告白、 カーダシアン家とのトラブルなど、ゴシップばかりで目立っていたカイリー。本作で、アーティストとして本格復帰を果たしたといえるだろう。Text:本家一成


◎リリース情報
カイリー・ミノーグ 『ゴールデン』
WPCR-17993 1,980円(tax out.)

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