ななみ 夏の終わりに届ける笑顔と涙、そして温かな思い出
ななみ 夏の終わりに届ける笑顔と涙、そして温かな思い出

 ボーカリスト naNami名義でも活動するシンガーソングライター ななみ が、8月26日に東京、翌27日に大阪で弾き語りライブ【nanami「ギターなんて大嫌い~vol.3」】を開催した。

ななみ ライブ写真(全4枚)

 今回の弾き語りライブは東京、大阪の両公演とも“笑顔”と“涙”をテーマとした2つのステージが用意されていた。ここでは、その8月26日 二子玉川KIWAにて行われた笑顔がテーマのステージをレポートする。

 8月13日に24歳の誕生日を迎え、髪もバッサリ切ってショートカットになった ななみは笑顔で登場。さっそく「I'll wake up」~晴れやかなメロディの3曲を届けていく。華奢でありながら低音もしっかり響く彼女の芯のある歌声と、キーボード&コーラスのサポート にしのえみ(NISHINOEMI)とのハモリに冒頭から酔いしれてしまう。「出会えたのはあの店で」では、“手拍子してね♪”とキュートにリクエストする彼女に観客も笑顔で応えていた。

 今ステージのテーマの“笑顔”だが、その意味する感情も様々。幸せの表情だったり、苦笑いだったり、無理して笑ったり…、そんな色んな笑顔の楽曲が並んだセットリストで、 “これは悲しい笑顔かな”と「笑火(えみび)」が披露される。キーボードの伴奏に乗せて、とある夏の情景を思い浮かべるように、そっと目を閉じて優しく歌う ななみへ、温もりある視線が集まっていた。続く「これを愛として」でも、儚さ漂う歌声に涙腺が刺激されてしまった。

 「“チューニング”という曲を聴いてください。いつもより尺が長くなりそうです(笑)」とおふざけも交え、再びアットホームな空間へ移ろうなか、新曲「I don't」を披露。ななみの好きな洋楽の影響が存分に出たという本楽曲では、ブラッシングと、ギターのボディを叩くパーカッシブのリズムをルーパーで重ねるといったプレイもみせ、彼女のギター少女な一面に顔も綻んでしまう。また、その昔、大分のサッカー少女だったことを明かし、「少年よ」で駆け抜けるようにライブも終盤へ。「今日はみんなの色んな笑顔が見られて良かったなと思います。…、最後まで笑顔でいくよー!」と、「去れ負け犬よ」でライブ本編を締めくくり、アンコールに「今日も大丈夫」を届け、笑顔のステージを終えた。

 この後に行われた“涙”をテーマとしたステージも、しっとり切なくなる夏の終わりを感じさせる、心に残るライブを届けた ななみ。大阪公演では、アンコールに皆の真ん中で「愛をください」を披露した模様を自身のTwitterに投稿していた。そこには、彼女の優しさとユーモアを感じる文が綴られていた。この夏がとても穏やかで、切なくて、嬉しくて、悲しくて、そういった感情と思い出が浮かび上がった、心にしみた ななみのライブだった。

◎セットリスト
nanami「ギターなんて大嫌い~vol.3」
1st Stage“笑顔のrequiem”@2017.8.26(Sat)二子玉川KIWA
01.I'll wake up
02.ポケットの恋花火
03.出会えたのはあの店で
04.笑火
05.これを愛として
06.I don't
07.少年よ
08.4文字ラブレター
09.CHASER
10.去れ負け犬よ
En.今日も大丈夫
http://73music.jp/

◎ななみ関連情報
9/20リリース 澤野弘之によるボーカルプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk(ヌジーク)]の待望の2ndアルバムに歌唱曲「Next 2 U」音源とライブ映像が収録
http://www.sh-nzk.net/artist/sawanohiroyukinzk/discography/VVCL-1098

撮影:フルカワタイスケ