バンドが自身の音楽を直接ファンに販売できるサイト“Bandcamp(バンドキャンプ)”が、個別のサブスクリプション・サービスを新たな機能として追加する。

 今週開催された【SFミュージック・テック・サミット】のカンファレンスでの発表に先がけ、BandcampのCEOであるイーサン・ダイアモンドはザ・ガーディアン紙に対し、有料会員へ先に楽曲を届ける同サービスにおいて、アーティストは価格を自身で設定できることを明らかにしていた。「ユーザーが実際に欲する音楽であることを除けば、U2とアップルがやったことに似たようなものです」としている。

 有料会員は通常通り音楽ファイルをダウンロードでき、Bandcampのモバイルアプリでも全てが利用可能だ。また、アーティストは有料会員限定で新曲をリリースしたり、他の商品を一律でディスカウントするなど、会員へ様々な特典を提供できるという。

 これにより、“バンドがすることを全面的にサポートしたいファン”に対し、アーティストが効率よくリーチできるようになるとダイアモンドは話す。「アーティストにとって、こういうファンへリーチする事はなかなか大変です。たとえば新曲をリリースするとなると、誰かのソーシャル・メディアにおいて広告で掲載される内容や1,000人近くのFacebookの友達など、ファイアーホース(リアルタイムに表示される記事)と競い合うのですから。ニューリリースがあるという情報を彼らに届けるのでさえ大変なんです」と話している。

 また、このサブスクリプション・サービスの重要な要素は、アーティストがニュースや写真などの特定の情報を、ターゲットを絞って有料会員にのみ送ることができるBandcampアプリだろう。

 なお、ガーディアンによると、Bandcampはデジタル配信と同じ15%の手数料を徴収し、売り上げが5,000ドル(約58万円)に達したアーティストはこれを10%に下げるという。