安くてもよく写る標準レンズ

 35mm判換算で50mm相当の画角の標準レンズ。同社にはすでにLEICA DG SUMMILUX 25㎜/ F1.4 ASPH.があるが、新レンズはルミックスGシリーズであり、比較的手に入れやすい価格設定になっている。最新の機能は盛り込まれており、AFは240fpsの高速駆動が可能。空間認識AFにも対応する。
 使ってみるとズミルックスの25mmほどデリケートな描写ではなく、どちらかといえばリアルかつ明確に写るタイプだ。その意味で例えるならズミクロンぽい描写だ。コントラストもズミルックス25mmより高い。
 マイクロフォーサーズ用の25mmレンズには、同社の2本のほか、オリンパスのF1.8や、コシナ(フォクトレンダー)のF0.95もある。なかでも今回のレンズは比較的低価格ながらも手抜きのない描写性能と使い勝手のよいレンズだ。

深度が欲しいので絞りf5.6で撮影したが、すみずみまでたいへん優れた描写。合焦部からアウトフォーカス部への描写もスムーズで自然だ●LUMIX GX8・絞り優先AE(絞りf5.6・640分の1秒・-1補正)・ISO200・AWB・JPEG
深度が欲しいので絞りf5.6で撮影したが、すみずみまでたいへん優れた描写。合焦部からアウトフォーカス部への描写もスムーズで自然だ●LUMIX GX8・絞り優先AE(絞りf5.6・640分の1秒・-1補正)・ISO200・AWB・JPEG

デザイン
メーカー自ら「シンプルなデザイン」としているのだが、シンプルすぎてやや物足りなさを感じるほど。この価格でピントリングへの距離表示は難しいのだろうが、がんばってほしかったところ。大きさやレンズの性格的には先日発売されたLUMIX GX8に似合う

使用感・操作感
レンズフードは標準で付属するが、取り付けるにはレンズ先端のデコレーションリングを外さなければならない。他社にも同様の仕組みのレンズはあるが、外したリングをなくしそうで心配になる。レンズフードはズミルックス25mmと異なり逆付けも可能

描写性
画面全体の均一性が高く、非常に自然な描写で、絞り開放時における周辺描写も乱れは少ない。解像性能的にはLUMIX GX8の2030万画素でも破綻せずに余裕で対応でき、細部まで非常によく解像している

◆ 河田一規

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●焦点距離・F値:25mmF1.7●レンズ構成:7群8枚(非球面レンズ2枚、超高屈折率UHRレンズ1枚)●最短撮影距離:0.25m●最大撮影倍率:0.14倍(35mm判換算:0.28倍)●画角:47°●フィルター径:Φ46mm●大きさ・重さ:Φ60.8×約52mm・約125g●価格:税別3万7000円(実売3万1960円)