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モノクロームの粒子にうつろう「奄美」。日比遊一の日本初個展「地の塩」を見る

アサヒカメラ
「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

「地の塩」より (C)Yuichi Hibi

 東京・銀座の東京画廊+BTAPでは、写真家・映画監督である日比遊一の個展「地の塩」を開催する。「地の塩」は、日比が1992年から数回にわたって訪れた奄美で撮影されたシリーズで、今回の展示は、日比にとって日本初の個展になる。

 十代から俳優として活動していた日比は、22歳の時ニューヨークに渡った。俳優業をする中で写真と出会い、ニューヨークの街などを撮り始める。1992年、米国永住権を得るために7年ぶりに帰国した日比は、北海道から奄美を含む南の島々まで、日本全国を旅しながら撮影した。北海道ではアイヌの人たちと生活をともにし、南に長寿の島があると聞けば訪ね、旅の期間は1年におよんだ。ニューヨークに戻り、撮りためた大量のフィルムを現像し、その写真を見たとき、日比は今までにない興奮を覚えたのだという。
その後、映画監督と併行して写真家の活動を開始した日比は写真集の名門出版社ナツラエリ・プレスから写真集を3冊出版。また作品は、カリフォルニア州のサンタ・バーバラ美術館など、各国のコレクションに収蔵されている。

 「地の塩」のシリーズは、1992年から1998年の間に数回にわたり訪れた奄美で撮影された作品で構成されている。ベルリンの出版社「オンリー・フォトグラフィー」のローランド・アングストと出会い、彼が最も興味を抱いた作品が写真集『地の塩』(『SALT OF THE EARTH / Yuichi Hibi』)としてまとめられた。タイトルの「地の塩」は、〈塩は腐敗を防ぎ、浄化させる。神を信じる者は塩のように社会の模範であれ〉という例えで、聖書にあるイエス・キリストの言葉に由来する。

 奄美を旅した日比は、島の人たちが、よりよい明日のために笑顔を忘れず、人との繋がりや会話を大切にし、さらには家族のために汗水垂らして働き、昔からの言い伝えを守りながら生きる姿に「地の塩」を見たという。


ひび・ゆういち
愛知県名古屋市出身。ニューヨーク在住。写真集に『imprint/心の指紋』『A Weekend with Mr. Frank-ワンピクチャー・ブック』『Salt of the Earth/地の塩』ほか。映画監督としてはロバート・フランクのドキュメンタリー『A Weekend with Mr. Frank』を制作(編集、制作指揮は『未来を写した子どもたち』で2005年、米アカデミー賞ベスト・ドキュメンタリー部門を受賞したロス・カフマン)。2013年、長編プロジェクト『ロード・キル』がカンヌ映画祭<アトリエ部門>にアメリカ代表として招待(2015年冬に撮影予定)。この部門では日本人として初参加。2014年、長編映画『オーナメント・オブ・フェース/ヤズの祈り』が完成。IFP(The International Filmmaker Project)は本作を、2014年デビュー作の中のベスト25に選んでいる。

■日比遊一写真展「地の塩」
会場:東京画廊+BTAP
開催期間:2015年4月18日(土)~5月23日(土)
開館:火~金 11時~19時 土 11時~17時
休館日:日・月・祝
住所:東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階
TEL:03-3571-1808

■トーク・イベント
飯沢耕太郎(写真評論家)×日比遊一
開催日:2015年4月25日(土)
開催時間:15時~16時


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