そんな背景から、今回は保守VS革新という色合いが濃くなる見込みだ。

 さらに、それを明確にしているのが、佐喜真氏の政治信条だ。佐喜真陣営の地方議員はこう不安を漏らす。

「佐喜真氏は宜野湾市長時代の2012年、同市議会で安倍政権の応援団的な存在である国内最大の右派団体・日本会議への加盟について問い質され、『日本会議の施策等について同意できるものがあれば、やっていきたい』と答弁。そして教育勅語が会場で読み上げられた『沖縄県祖国復帰42周年大会』(16年開催)でも佐喜真氏は閉会の挨拶を述べるなど右派色が強い。大丈夫かと心配の声が出ているのも事実。陣営は選挙で争点となる普天間基地問題、辺野古移設について公約では、争点化を避けている。保守であっても、米軍基地問題だけは別。軽々と賛成と言ったら、選挙にならない」

 今回の知事選挙では、自民党に加えて、公明党が早くも佐喜真氏支援を打ち出し、山口那津男代表が沖縄入りすることを表明。

 日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事も台風21号で大阪が大停電を起こしている最中の7日、わざわざ沖縄入り。佐喜真氏に対し、日本維新の会代表として推薦状を手渡していた。

「安倍首相の意を受け、二階幹事長が沖縄入りし、地元を引き締めにかかっている。現地で出回っている自民党の世論調査という数字はダブルスコアでデニー氏がリードしているが、サンプル数も少なく、フェイクニュース(偽情報)の可能性が高い。最初は不利な数字を出しておいて、『自分たちが頑張ったので逆転した』と主張するために与党陣営の地元国会議員が撒いているとみられます。安倍首相は『総裁選で総動員、次は沖縄でもやるぞ』と周囲に漏らすなどなりふり構わず、勝ちに行く覚悟のようだ」(自民党幹部)

 翁長氏の弔い合戦となるのか、それとも…。沖縄県知事選から目が離せない。(取材班)

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