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「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークワンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、41万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。
日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「タイムコスト」について。
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【相談】こまごまとした人付きあいに時間を奪われ、本当に集中したい仕事や自分の趣味ために時間を割くことができません。田村さんは投資や教育など、いろいろな事業に携われていますが、いったいどうやって時間を捻出されているのでしょうか?
■好循環を生み出す仕組み
おかげさまで私自身のタイムコスト(時間あたりの付加価値)は自分史上最高となっています。
となると、判断の数を減らす、人と会う機会を減らす、お金のことを考えることを減らす、という志向になってきます。そして、これが好循環をもたらしてくれます。
物欲がないので、清貧そのものに近い生活で、無駄使いはもともとしません。夏しかないシンガポールを拠点にしていると好きだった服にもお金がかかりません。シェアリングサービスをフル活用で、所有しなければ出費も限定的です。モビリティを常に考えているので、家も買いません。
このように、判断の数を減らすことは重要で、節約を考えることもなくなりました。節約するために知恵を絞るより、その時間仕事に専心した方が、削れるコストより生み出す利益の方がはるかに大きいからです。
仕事としての事業投資はやりますが、金融投資は放ったらかしです。商品を調べて購入したり売買のタイミングを見たりしている時間とエネルギーがあれば自分の仕事に専心した方がリターンは圧倒的に大きいからです。