生きる面白さって白黒付けられないところにあるんだと思う。恋愛だってそうですよね。男女が好きになるメカニズムだって説明できないし、2人で逃げちゃうこともある。社会には納得いかないことがいっぱいあって、だから何が正しいか決めるために裁判をしたりもするんです。



 学校での体罰禁止というルールも、行き過ぎると変なことになる。この前、NHKのクローズアップ現代に出たんですが「生徒に殴られる教師」っていう特集だったんです。5年間で8千人の教員が体罰とかで懲戒処分になっていて、子どもに殴られても先生は無抵抗になるしかないんだそうです。子どもに手を上げたほうが良いとは言わないんだけど、この現状おかしくないですか? 教師による暴力だっていろんなパターンがあるでしょ。それを一緒くたに禁止するんじゃなくて、大人はもっと子どもに介入しなきゃいけないと僕は思うんです。親は子に、先生は生徒に、僕みたいに子どものいない大人は近所の子に。

 子どものころは自分も「ああ、うざいなぁ」と思っていたけど、そういうところから大人って厄介だし、ときどき怖くて敬うべき存在だって学んだんだと思う。今の子たちは社会のルールが厳しくなったせいで、間違った道徳観とか人生観とかを持ってしまっているような気がしてならないんですよね。

 僕が出ているワイドショーでコミケ(コミックマーケット)のが高齢化が進んでいるっていうニュースをやっていたけど、10代後半とか20代の子たちの来場者が減ってるらしい。サブカルの代表であるコミケに来ていない若い子たちは、どこにいるんだろう。確かに、同人誌を作って売るってことも、すごくアナログで時代に逆行していることだし、いまはデジタルで配信したほうが拡散されて知名度が上がるかもしれない。オタク文化が廃れることは無いと思うけど、デジタルに変わっていたりするんだろうか。やっぱり文章とかマンガから、動画に流れているんだろうか。

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外で遊ぶ子どもを見なくなった不思議