

42歳で電撃結婚、翌年には高齢出産。激動2年を経た女優・水野美紀さんが、“母性”ホルモンに振り回され、育児に奮闘する日々を開けっぴろげにつづった連載「余力ゼロで生きてます」。第6回は、怒涛の病院通いで募る「母の不安」について。
【まっ赤なおしりがどの程度痛いのか想像するしか出来ない心の痛み】
* * *
「ポン引きでやっていきます」
そう言って舞台制作の仕事を辞め、会社を畳んで音信不通になった後輩がいた。
元気でやっているだろうか。
「バイトやめて正社員になります!」
「会社やめて農業やります!」
そんな前向きさで彼は、
「ポン引き一本でやって行きます」
と突然宣言した。
まず「一本で」という物言いに引っかかる。
舞台制作の仕事の傍らポン引きも、並行してやっとったんかい!
という驚きも相まって、しばらく開いた口が塞がらなかった。
驚きといえば、「鬼のパンツ」の唄。
♪おにーのパンツはいいパンツ
♪強いぞー、強いぞー
あれは鬼が強いというんじゃなくて、パンツの「素材が」強いことを謳った曲だということを最近発見した時はまあ驚いたこと!!
……話を戻そう、
あいつに何があったのか。
一児の父なのに。
あいつどうしてるだろうか。
ちょっと抜けたところのあるやつだったから、
「ポン引き」
を何か別の職業と勘違いしていたのかもしれない。
えーーーと、
福引き……とか?
どこかの商店街ではっぴ着てガラポン抽選機回しているかもしれないしな……。
だって犯罪だから!!! ポン引きは!!
ふう。
ふと頭をよぎったあいつのことを本気で心配している余裕は、正直なところない。
母はわが子のことで手いっぱいだ。
9カ月まで病気知らずだったチビであったが、卒乳し、保育園に通いだしてからというもの鼻風邪、喉風邪、熱と、怒涛の病院通い。
よく、6カ月までは母から受け継いだ免疫で風邪引かない、というが、本当に、免疫が切れたら急に風邪を引きやすくなる。