リーダーの橘さん。イメージカラーは赤。(c)VIMA
リーダーの橘さん。イメージカラーは赤。(c)VIMA
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VIMAのメンバー。左から、たいぎ、ゆうた、 橘和希、山野誓也、こうすけ(c)VIMA
VIMAのメンバー。左から、たいぎ、ゆうた、 橘和希、山野誓也、こうすけ(c)VIMA

 コンセプトはキラキラ。目指すはアイドルとしての「ザ・王道」。口角をキュっと上げて笑顔を見せながら真剣にそう語るのは、メンズ地下アイドルグループ「VIMA」の橘和希さん(26)。身長180センチ、長い手足で派手な衣装も着こなし、新大久保や渋谷のライブハウスを中心に活動する。一見、夢を追いかける若き青年のようだが、実は「指チュウ男」として炎上した過去を持つ。

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 事の発端は、5月に「AbemaTV」の人気番組『給与明細』で放映された“メンズ地下アイドル”の実態に迫る特集。その中で橘さんが披露したファンサービス「指チュウ」が過激すぎると炎上したのだ。

 気になるこの「指チュウ」とは、人差し指越しにファンとキスをするサービスで、「地下」で活動する彼らがよく行っている“営業方法”の一つ。だが、ネット番組で放送されて多くの人が観たことで、その密着度から「信じられない」「世も末」などの声が噴出。橘さんは「指チュウ男」として一躍話題となった。

 実際、「指チュウ」の映像を見るとあまりの距離の近さに衝撃を受ける。昨年冬には女性地下アイドルがファンとの「アクリル板越しのキス企画」で炎上したのも記憶に新しい。「指チュウ」が放送されれば、イメージダウンも容易に想像できるはず。どうしてこの取材を受けたのか。本人を直撃した。

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「炎上するかもしれないっていうのは分かっていました。でも、良い意味でも悪い意味でも知ってもらうチャンスをなくすのは一番もったいない」

 橘さんは出演の理由をこう語る。そもそも番組スタッフは他のグループにも出演交渉をしていたというが、給料を披露したり自分の部屋を見せたりする番組企画にみな及び腰。そこで、まだ駆け出しであるVIMAに白羽の矢が立ったという。

「一瞬迷いましたよ。明らかに叩かれると思ったし、強いグループではないから潰れるリスクもあった。実際、出演後は地下のイメージを悪くするなという声も多かったです。でも、叩かれたとしても、メンズ地下アイドルという存在を知ってもらえる。知ってもらえれば、その後に挽回するチャンスはあると思っています。業界を底上げしたいし、僕たちは地上に上がりたい」(橘さん)

 番組でのチャラチャラしたイメージとは全く違い、真剣に語る橘さん。「地上に上がりたい」は切実な思いなのだろう。だが、ファンサービスの過激さが気になるのも事実。出演後、ファンからは「恥ずかしい」という声もあったという。

 しかし、「あれはそこまで嘘ではない」と橘さんは言い、こう続ける

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ファンから感じる「親心」