「不健全だし、何とかしなければと思っています。今、メンズ地下アイドルの数も増えて、業界は過渡期。チケット代を安くして、男性ファンを呼べるようにしたり、少しずつでも現状を変えていきたい。かといって、いきなり特典会をやめると、お客さんも離れてしまう。過剰営業なのも否定できず、今はホストみたいなもの。ジェネリックホストですよ」(業界関係者)

 一方、メンズアイドル雑誌『ミレメン』の関係者は指チュウ騒動について「知らなかった」と驚きを見せる。「それはごく一部じゃないですか。メンズアイドルは今100~200組くらい活動している。増えた分、色んなことをやる人が出てくる。ハグなんかは15年ほど前からあったし、今有名な人もしていましたよ。みんな喜んでもらいたいという気持ちでやっていて、その瞬間は盛り上がる。だけど、サービス過多になることもあるので、運営の線引きが問われる」と指摘する。

「ヒエラルキーがあるとすれば、ピラミッド型ではなく東京タワーくらいの規模感。頂点はやっぱりジャニーズなどのドームクラス。その下に武道館クラスのアイドルがいて、『ミレメン』に載っているグループは300~2000人くらいのライブハウス。そのさらに下に地下がある」(ミレメン関係者)

■証券マンの過去 俳優と共演したことも

 そんな橘さんは、かつてショーモデルをしながら証券会社で働いていた過去を持つ。

「証券外務員をしていました。会社員時代の知り合いは僕が今、メンズ地下アイドルをやっていることは知りません。でも、モデル時代にファッションショーに出たとき、ヤフーニュースに載ったことがあるんです。そこでバレたことはあります」(橘さん)

 モデルの西内まりややかつて俳優活動をしていた山本裕典らが出演するファッションイベント「琉球アジアコレクション(RACo)」に出たこともある。それがきっかけで、モデル一本で生きることを決意するも現実は甘くはなく、限界を感じたという。そこで、ファンを増やす方法を考え、メンズアイドルに転身した。

 実は橘さんのように、以前から芸能活動をしていたというメンズ地下アイドルは少なくないという。

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早いと1カ月で解散するグループも