そんな田島さんが50歳を目前に結婚に踏みきったのは偶然の再会がもたらした結果だという。

「夫は中学のときの同級生です。偶然会うまでは中学を卒業してからは、進路も別々でしたし、接点もなく、会うことはありませんでした。2014年2月に大雪が降った日、自宅の物置の屋根が壊れてしまい、地元のホームセンターに行ったところ、偶然会ったのが最初のきっかけですね。そのとき、彼が家業の工務店を継いでいることを知り、渡りに船だと思い、物置の修理をお願いしたんです。その日のうちに修理してくれ、連絡先を交換してそのまま別れました。数日後、修理のお礼にと食事に誘ったんですが、彼が急性腸炎で入院していて、軽い気持ちでお見舞いに行きました。もちろん、そのときも結婚はおろか、つき合うことも考えていなかったですね。正直、誰かとつき合うなんて面倒くさかったですし、友人で十分だと思っていました」

 その後もときどき飲みに行ったり、ごはんを食べに行ったりと、同級生ならではの肩の凝らないラフな友人関係が続いた。

 そんなある日、彼にお見合い話が舞い込んできた。彼は「気になる人がいる」ということで、即断ったという。田島さんはこの話を聞いても「この年齢でも、お見合い話ってくるんだ」とかなり能天気なことを思っていたという。

「お見合いを断った後に彼から、結婚を前提につき合ってほしいと言われ、驚きましたが、一緒にいてラクなので、結婚のことは彼ほど深く考えずにつき合い始めました。この時点では結婚に対し、ふたりの間で、かなり温度差があったと思います。それでも彼はせかすこともなく、私の気持ちに寄り添ってくれていました。私も自分のペースを崩さずに無理なくつき合うことができたのがよかったですね。これも彼に感謝していることのひとつです。急かされたり、いろいろと言われたら、きっと、私の性格上、イヤになって別れていたと思います」

■「面倒だ」と思っていた結婚も彼のやさしさに触れ、ついに決意

 交際は順調に進むものの仕事やプライベートでふたりに転機が訪れる。彼は実家の工務店を辞め、建設会社のサラリーマンに。田島さんも長年勤めていた病院を辞め、再就職した職場もモラハラが原因で1年半で辞めることに。

 その後は再々就職に向けてパソコン教室に通い、資格を取って就職活動をしていたが、プライベートでは親の介護が始まるなどしんどいことが重なり、徐々に精神的に追い込まれていった。

「就活と介護で心身ともに毎日クタクタでした。そんなとき、毎日電話やメールで励まし続けてくれたんです」

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少しずつ彼とのつき合い方に心境の変化が…