「あとは相手チームのことを褒めたり、試合を“GOOD GAME”みたいに言い合う感じで、基本は言葉不要。ジェスチャーで通じると思います。ユニホーム交換なんかもするし」

 イメージしているコミュニケーションとはだいぶ違うが、サッカー好き同士、意気投合することも珍しくないのだろう。

 もうひとり、現在、ヨーロッパに滞在している友人にも聞いてみた。

――そっちは盛り上がっていますか? 現地でどんなコミュニケーションをとっているのか教えてください。

「試合の日に飲み屋や女性が接客する店なんかにいると大変ですよ。『今日◯◯の試合よね!? シャンパン開けてみんなで一緒に応援しましょう』って感じでシャンパンが飛び交っています」

 どこに行ってもサッカー好きな男とバカな会話は生まれるらしい。現在、ロシアだけではなく、世界中にいる友人たちは、英語ができる、できないにかかわらず、サッカーを楽しんでいる。こういうお祭りのときは、こまかい言い回しを気にするよりも、思いっきり楽しんで、盛り上がったほうがいいにきまっているのだ。

(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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