坂上忍 (c)朝日新聞社
坂上忍 (c)朝日新聞社

 30年以上続いたフジテレビのバラエティー「笑っていいとも!」の後番組として開始した「バイキング」(2014年スタート)は、長寿番組の後とあって長らく視聴率で苦戦してきた。だが、2017年あたりからは視聴率も上昇して安定し、注目が集まっている。3月には遂に視聴率が過去最高となる8.1%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)を記録し、同時間帯の他局の番組とも遜色ないほどになってきた。

【坂上忍と並び“毒舌キャラ”として再ブレークしたのはこの人!】

 番組のスタート当初は曜日ごとに別のMCが立てられ、EXILEのメンバーやおぎやはぎ、ブラックマヨネーズなどが担当。2015年からは月曜日を担当していた坂上忍(51)が全曜日のメインMCに昇格し、現在のスタイルにいたっている。当初は、サンドウィッチマンが各地で地引き網をする企画などが話題となったが、視聴率は低迷し、1%台となることも多々あった。そうした低迷に対して制作側も右往左往していた様子で、頻繁に企画や番組構成が変わったことも視聴率が安定しない要因だったと思われる。

 ところが2016年頃から、人気が上昇していた坂上忍をきっちりとメインMCに据え、番組内容も社会問題に対して曜日レギュラーやゲスト、識者たちと激論をするよう方針を転換。少しずつ視聴率も上昇して安定してきた。また、その過激なトーク内容がネットニュースでとりあげられることも多くなり、知名度もあがっていった。

「まず、番組内容がシンプルになったのが見やすくなった。番組開始当初は『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)みたいなバラエティー寄りでしたが、いまはバラエティーというよりはワイドショー寄りの構成です。同時間帯で視聴率トップは『ひるおび!』(TBS系)なので、そちらに寄せてきたのでしょうか。『ひるおび』はしっとりと社会問題を放送していますが、『バイキング』では大御所たちが暴走した発言をしたり、坂上忍が出演陣を煽りまくるなどバラエティー要素も強い。ちょうどいい、棲み分けができているのかもしれません」(放送作家)

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、脇を固めるお笑い芸人が視聴者に安心感を与えていると分析する。

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