「隠れアスペルガー」は、「真性」アスペルガーよりアスペの症状全般が弱い、もしくは症状の出方に偏りがある状態だ。診断テストを行えば、アスペの基準を満たすほどではないが、「普通」よりは明らかに高い点数が出る傾向にある。

 グレーゾーンのアスペルガーの存在は、複数の医師が認めている。「真性」アスペは「90人から100人に1人」とされているが、グレーゾーンに位置する人は「日本人の40人に1人」という推計がある(トニー・アトウッド著『ガイドブック アスペルガー症候群』東京書籍)。

 吉濱氏は10年以上、発達障害の人が楽に生きられる方法を指導してきた。その上で、「日本人の20人に1人くらいは隠れアスペルガーではないか」と実感しているという。日本人にアスペが多いのは、「あくまでも大きな要因の一つとして、脳内のセロトニン産出システムの型に関係している」というのが氏の持論だ(詳しくは『隠れアスペルガーという才能』KKベストセラーズ 参照)。

 アスペルガーの症状は幅広く、「隠れ」の場合は、「KY」「コミュ障」というアスペのイメージとは真逆に表れる場合もあるという。

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