だが、自民党も反撃に出ている。和田政宗参院議員はツイッターで「今回と同様の文書は、決済印を押す紙の後の2枚目以降は決裁途上で差し替えることがあり、朝日が見た文書は決裁途上の文書の可能性も」と、記事に説明不足の部分があると指摘した。
時事通信(電子版)も3日、政府関係者のコメントとして、財務省では「資料をまとめる過程で多少削るなどした部分はあるが、改ざんには当たらない」との説明で乗り切る案が浮上していると報じている。
ただ、この説明で野党が納得するとは考えにくい。朝日の記事によると、文書の原本と、昨年2月の問題発覚以降に国会議員に配布された改ざん疑惑の文書では、1枚目にある文書番号や起案日、決済完了日が同じだと報じている。文書を一部差し替えたのなら、決済は最初からやり直す必要があるが、その形跡はないようだ。
そのほかの説明としては、財務省職員の単純ミスとして「作成途中の文書が誤って決済された公文書の中に入り込んでしまった」と理由付けすることも考えられる。
しかし、この説明にも無理がある。朝日の報道では、原本では「学園側の提案に応じ」や「価格提示を行うこととした」といった記述があるという。「単純ミス」で説明すると、原本の文書と記述内容の存在を認めることになる。佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)は、学園側と「事前の価格交渉はしていない」などと国会で答弁しているので、原本の存在を認めることは、結果として佐川氏の虚偽答弁が確定させることになってしまう。
希望の党の古川元久幹事長は「事実であれば、内閣総辞職に値するくらい極めて重大な問題だ」と述べ、報道をきっかけに政局が動き始めている。
文書改ざんが真実なら、安倍内閣への批判が高まることは必至。国会での審議の行方に注目したい。(横田一/AERA dot.編集部・西岡千史)