――西野さんは常に皆とは逆の方向に行っているイメージがあります。昔からそうだったんですか。

 そうですね、僕が芸人デビューしたときって、エンタの神様とか、お笑いブームが始まる前で、全お笑い芸人が劇場でくすぶっていたんです。若手芸人がテレビに出るなんてありえない、明石家さんまさんと絡むこともありえない、そんな中で、僕はデビューしたんです。世の中に出るまで10年かかるというのがほんとに嫌で、一気に駆け上がりたいと思って、勝ち方を考えたときに、他の芸人たちとは違うことをしたんです。

――具体的にどんなことをされたんですか?

 当時、芸人のほとんどが、発想勝負だったんです。「そんな角度からボケてくるの?」という発想第一だったから、僕たちは、ボケの数で勝負しにいった。そしたら片っ端から優勝していったんです。

 もし、僕が漫才コンクールの審査員だったら、漫才の形式によって分けると思うんです。そうすると、10組の中で9組が発想勝負で、1組はボケの数勝負となったときに、僕たちの勝率は10分の1ではなくて、2分の1だと思ったんです。9組の方に入ってしまったら9組から1組を選ぶので、勝率は18分の1になりますよね。

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