そう家族は、2人のお笑いへの道を必然的に捉えていたといい、めいどのみやげ主催のライブでは、チケットのもぎりや会場整理などを積極的に手伝っている。また老人ホームなどでもネタをする機会があるという。

「やっぱり、老人ホームの時は、いつものネタだとわからないでしょうから、おじいちゃん、おばあちゃんに合わせてモノマネをやるんですよ。まず大河内伝次郎でしょう、それから阪東妻三郎に宇野重吉、嵐寛寿郎、柳亭痴楽、三遊亭金馬…これがね良くウケるんですよ、ハハハッ」

 次々と名前をあげるティーチャさん。

「いや、正直ほとんど顔が浮かばないから」

気持ちいい位にサッチィーさんが斬る。

 デビューして4ヶ月で、二人は深夜放送のお笑い番組「あらびき団」(TBS系)でメディア初出演を果たす。

「メイド服に野球帽被った私が、サッチィーにインタビューされるというコントなんですけどね、なんか運良くオーディションに受かっちゃって、それで少しうかれてしまったところはありましたね」

 コンビ結成後、たった4ケ月でテレビデビュー。勘違いしてしまうが、その後は、特にテレビのオファーはなく、お笑いの厳しさを知ることになる。そこで、改めてきちんとネタを作っていこうと決意した2人。しかし、結成当初、ある事を隠していたのだ。

「実は、親子というのは伏せていたんです。特に意識的にではなくて」

 当時を振り返るサッチィーさん。しかし、ある時ライブを観ていた先輩芸人からこう助言された。

「なんで親子って言わないの?絶対言った方がいいよ、お客さんも気になってるはずだから」

 そのアドバイスに2人はすぐに反応し、早速ネタの中で、取り入れた。

「お客さんが私たちに凄い興味を持ってくれて、ネタに入りやすくなりました」

 先輩の助言なくして今はないと、サッチィーさんは振り返る。ネタは月に1本のペースであげていて、今では100本以上の持ちネタがあるという。

「ただ、そのうち使えるのは、7~8本くらいですけどね(笑)」

 とサッチィーさん。

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