一方、グローバル化する世界で生き残るための教育についての質問に「教育だけではなくビジネスの世界でも言えることだが、自分自身のことだけを考えた過度の競争主義は人間を成長させる代わりに縮小させる」と述べ、現在の日本の社会には「過度の能力主義による競争と消費」が蔓延していると指摘。こうした傾向を「あなたがたの力を奪いかねない」と戒めた。
また、法王は25年以上前に黒澤明監督の「八月の狂詩曲(ラプソディー)」を見て感銘を受けたという。長崎での被爆経験を持つ祖母と孫たちの対話を描いたこの映画を引き合いに出し、「お年寄りとの対話を通じて、自分の国、家族、人間としてのルーツを探してほしい。ルーツがないと花は咲かない。過去のルーツを持ち、現在に挑戦しつつ、将来を見据える若者たちがいれば、世界は変えられます」と学生たちにエールを送った。(アエラムック教育編集部・大室みどり)
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