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 華々しい成功の影には、暗く、地道な過程がある。元商社マンの北川賢一さんもそうだ。いまでこそ、海外不動産事業、ホテルオーナー、ベンチャー事業、ヘッジファンドへの投資、本・メルマガの執筆、講演、教育活動など、幅広い活動を通して収入源を18個まで増やし、『ただのサラリーマンから財布を18個まで増やしたお金のルールチェンジ』という本まで著した北川さんだが、独立後にさまざまな苦労を味わったという。

「起業すれば自由になれる」。そんな淡い期待を抱いて独立する人も多い。しかし、現実はそう甘くない。独立してからの苦労、そして成功に至るまでの経緯について、北川さんに話を伺った。

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■遠い成功への道程と諦めない心

 会社を辞めて起業した私は、ある決意をしていました。それは、「毎日我慢しながら仕事を嫌々するのではなく、自分のやりたいこと、好きなことをしてお金を稼ぐ」ということです。

 とは言うものの、具体的なビジネスアイデアや事業計画はなし。使える資金はごくわずか。仕事で得た実績も、仲間も、人脈も、秀でたスキルもありませんでした。まさに、ゼロからのスタートだったのです。

 当然のことながら、会社を辞めてからの一年間、まともに収入を得ることができませんでした。会社員時代に作っておいた投資の収入源のおかげでなんとか生活はできたものの、ビジネスに対して無知であった私は、改めて、セミナーや教材などの自己投資を続ける必要性を感じました。何もしなければ、状況は厳しくなる一方です。だからこそ、私はまず「学ぶこと」が重要だと考えました。しかし、すぐにお金に変わるわけではなく、独立してからの収支は赤字続き、気がつけば、貯金は底をつきかけていました。

 いよいよ、家賃や光熱費まで払えなくなり、どうにか食いつなぐために、日雇い労働をしたこともありました。何の保証もなく、光も見えず、将来への不安で押しつぶされそうになり、眠れない日々が続きました。

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