大学教授である父親が、中国の歴史家・司馬遷の言葉『桃李もの言わざれども下自ら蹊(みち)を成す』という故事から取ったという。桃や李(すもも)などおいしいものの下には何もしなくても人が集まり小道ができる。桃や李は人格のある人のたとえで、人格者には、その徳を慕って人々が集まってくるというような意味だ。父親が「誰からも慕われる、徳のある人になってほしい」という願いを込めて「桃李」と名づけてくれたと本人はインタビュー等で語っているが、まさに名前通りの人物に成長したようだ。

「さわやかなキャラとは裏腹に影があるのも彼の魅力です。『芸能人オーラがないから街で気づかれない』と本人はよく自虐的に語っていますよね。休日はひとりで書店や漫画喫茶に行ったりするようで、ひとり焼き肉を楽しむ姿を週刊誌に撮られたこともありましたね。一人が好きだけど、そもそも友達があまりいないとカミングアウトしています。周囲から好かれ、慕われる一方、本人はちょっと気難しい性格なのかもしれません。そうした部分が役を演じる上で、不思議な魅力につながっていると思います」(前出の編集者)

 2018年2月に公開予定の映画『不能犯』では、これまで演じてきたキャラクターとは異なり、危険で魅惑的なダークヒーローを怪演する。また違った彼の一面を楽しめる作品となる予定だが、20代最後の年を迎えた松坂の新境地に注目だ。(ライター・天野まひる)

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